中国の製造業で深刻な人手不足、労働力はデリバリーサービスに流出―シンガポール紙

Record China    2022年4月18日(月) 7時30分

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シンガポール紙ストレーツ・タイムズは10日、「中国では、工場が配達プラットフォームとの労働者争奪戦に苦労している」とする記事を掲載した。

シンガポール紙ストレーツ・タイムズは10日、「中国では、工場が配達プラットフォームとの労働者争奪戦に苦労している」とする記事を掲載した。

記事は、「ますます多くの労働者が、中国の日増しに増長するギグ・エコノミーに魅了されている。しかし、労働者たちが配達員になるという選択肢を選んできたことで、すでに中国の製造業の労働力は大幅に失われた」と指摘し、中国人力資源・社会保障部のデータを基に、2021年の第3四半期の時点で、中国で最も人手不足になっている100種の職業のうち、58種は製造業とその関連産業に属していることを紹介した。また、中国教育部の予測では、2025年に中国製造業の人材不足は3000万人近くになるとされていることも挙げた。

一方で、二大フードデリバリー電子プラットフォームの美団(Meituan)と餓了麼(Eleme)のデータを合わせると、中国には現在約700万人のデリバリー配達員がいると説明。広州市で工場ではなくデリバリー配達員として働くことを選んだ河南省出身のチューさんについて、「自転車に乗るのも屋外で働くのも好きな彼にとって、デリバリー配達員はより多くお金を稼げるだけでなく、工場では提供できない条件を備えた職業だ」とした。

記事は、今年の両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)の期間に、工場の人手不足問題が注目されたことを挙げ、「参加した代表委員たちは、政府補助金を増やして労働者の収入を高める、自動化率を上げる、職業技能訓練を規範化するなど、労働者を引きつける提案をした」と説明した。

また、「労働力を工場に引きつけて働いてもらうため、雇用主は労働者の待遇を高めることに尽力している」とし、広東省仏山市のある工場主が、「過去8年間で労働者の給料を“ほぼ倍増”しましたが、効果はほとんどありませんでした」「新型コロナウイルスは工場の人手不足をより深刻なものにしました。一部の工場は防疫規定を守るために臨時に操業を停止したので、ますます多くの労働者が配達員に転向してしまいました」などと述べたことを伝えた。

その上で、「この工場の労働者の月給は4500~6000元(約8万8000~11万8000円)で、デリバリー配達員であるチューさんの月収のおよそ半分だ」と指摘し、広州市総工会が3月2日に発表した報告書では、同市のほとんどのデリバリー配達員の年収は10万元(約197万円)を超えていることを挙げた。一方で、「工場では食事と宿が提供されるが、労働者たちによると労働条件は平凡で、一日に12時間も働くこともあるそうだ」と紹介した。

労働者のルゥオさんは、「工場で働くことを選んだのは、より明確なキャリア計画を持っているからです」とし、「配達員をするよりも、工場で働く方が学ぶことが多いんです。私はいつか、自分で事業を始めるか(現在働いている工場と)同じような工場に投資したいと思っています。もしその計画が失敗したら、それから配達員を始めても遅くはありません」と話した。

一方、現在まだ独身のチューさんは、「今でもやはりデリバリー配達員をする方がいいです」とし、「将来どうなるかなんて、誰が知っているでしょうか?もしかすると結婚して安定したら、工場の仕事を探すかもしれません。何と言っても工場勤めの生活は安定していますからね」と話したという。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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