【中国キーワード】一般人の日常生活に溶け込むデジタル資産、 ドラマ「dele」が現実に?

人民網日本語版    2022年4月11日(月) 16時50分

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テクノロジーが進歩を続け、その範囲を個人資産の域にまで拡大させている。

テクノロジーが進歩を続け、その範囲を個人資産の域にまで拡大させている。不動産や自動車など有形で、価値が明確な資産のほか、携帯番号やゲームのアイテム、ひいては非代替性トークン(NFT)を含むデジタル資産が人々の生活に溶け込むようになっている。

デジタル資産にはどんなものがあるのだろうか?デジタル資産の持ち主が亡くなった場合、それを相続することはできるのだろうか?そしてそれを削除する必要はあるのだろうか?

■デジタル資産とは何か?

人々が1日平均2時間27分 をSNSに費やしている今日、第三者決済プラットフォームの支付宝(アリペイ)の残高であれ、微信(WeChat)や微博(ウェイボー)への投稿であれ、さらにはスマホゲーム「王者栄耀」の高額キャラクタースキンまでも、物理的な肉体以外の「デジタルな自分」を構成するようになっている。

またこれ以外にも、NFTのデジタル市場における価値が日に日に高まっている。今年に入り、ある有名芸能人が創設したブランドは、NFTプロジェクトとして「幻想熊(Phanta Bear)」を1万個限定で発売。1時間もたたない間に売り切れ、売上高は人民元に換算して6200万元(約11億7800万円)以上にも達した。

このようにテクノロジーの進歩により、より手軽に資産をデジタル化できるようになっている。中国証券法学研究会の張志坡(ジャン・ジーポー)理事は、「財産には通常、希少性や可処分性があり、実物的価値や精神的価値あるいは記念価値を備えているものだ。デジタル資産は、パソコンやスマートフォンといったハードウェアを頼りに、バーチャルの世界に存在しているものの、依然として、その価値を保っている」と説明。そして現有のデジタル資産は3つのジャンルに分けることができるとした。1つ目は、経済や生活と密接に関係する支付宝や微信といったデジタル決済ツールやNFTといった新型資産、さらには、経済収益をもたらすオンラインショップといった実体のバーチャル化資産など。そして2つ目はたくさんの時間やお金を費やして獲得するゲームコインやゲームのアイテムを含むレジャーライフジャンルで、一定の財産的属性を備えている。3つ目は、QQや電子メールといったSNSジャンルで、ユーザーにとっては日常生活における精神的拠り所となる。

■デジタル資産は相続できるか?

デジタル資産の形態のバリエーションは増える一方で、それを相続できるかが、人々の関心の的となっている。デジタル資産は目に見えず、触ることもできず、パスワードを知らなかったり、権限を授与されていなかったりしている場合、それを自分1人のものにすることができないばかりか、デジタル資産の中には流通させる価値を備えていないものも相当あるからだ。

オンラインショップやデジタル版権、支付宝の残高といった市場において価値が確定しているデジタル資産の場合、それを相続できることに疑問の余地はない。

一方、NFTやビットコインといったデジタル通貨の相続は、大きな議論の的となっている。NFTは多種多様なデジタル美術品に対応している。「美術品」という名目を取り払った場合、その属性は非代替性トークンであり、本質的にはビットコインやイーサリアムといったデジタル通貨と同じで、それを相続できるかのカギは、デジタル通貨の法律的地位にかかっている。

また、電子メールやSNSのアカウントなど、市場における価値が確定していない資産については、それを相続できるかをめぐって一定の議論が繰り広げられている。QQや微信、メールといったSNSのアカウントには、財産的価値があると同時に、そこにはプライバシーといった高い人格的尊厳の属性も備わっている。この種のデジタル資産には、所有権の属性があるものの、所有者が他人に知られることを望んでいるとは限らず、相続の合理性や合法性に課題が残る。

■無形のデジタル遺産は相続?それとも削除?

無形のデジタル遺産を相続する場合、亡くなった人のプライバシーや個人の尊厳、さらに亡くなった人に関係する人のプライバシーをどのように守れば良いのだろうか?

昨年11月1日から施行されている「中華人民共和国個人情報保護法」は、「自然人が死亡した場合、その近親者は、自らの合法かつ正当な利益のために、本章に規定されているとおり、死者が生存している間に別段の定めをしていない限り、当該死者に関連する個人情報へのアクセス、コピー、訂正、削除などの権利を行使することができる」と規定している。

中華遺書バンクに現在保管されている遺言書には、現有の法律、法規に基づいて、デジタル遺産に関する手配方法を記載している遺言書もあるものの、将来その遺言内容を執行する際に、現実的難題に直面する可能性がある。例えば、ユーザーと一部のオンラインプラットフォームの間のネットワーク協定では、ユーザーには、ネットワークアカウントの使用権しかなく、アカウントの所有権はプラットフォームにある場合がある。その種のデジタルアカウントは、行き場を失った相続することのできないデジタル遺産となる。

自分が亡くなった場合、全ての電子機器に残されたデジタル記録を内密に抹消する業務を請け負ってくれる会社があれば、あなたは利用するだろうか?日本のドラマ「dele(ディーリー)」が描くそのようなストーリーが今後、現実の世界において展開される可能性がある。

■Z世代「見られるのは『社会的な死』を意味するので、アカウントは絶対抹消」

ますます多くの若者が今、デジタル財産を遺言書に記載するようになってきている。統計によると、2020年から2021年の間に、中華遺書バンクで遺言書を作成した「00後(2000年以降生まれ)」は223人だった。

これについて、「Z世代」の徐さんは、「デジタル遺産を遺言書に記載するのは、個人情報を処理する個人の権利であり、自分が亡くなった後に、家族や友人に、生前は彼らの前では見せなかった自分の一面を知ってもらうことができる」と理解を示しながらも、「自分はバーチャル財産を遺言書に記載して、家族に相続してもらうつもりだが、残りのSNSプラットフォームのアカウントは抹消してもらいたい」と語った。

Z世代は、プライバシーの意識が非常に強く、自分のことについては、自分なりの考えを持ち、主導権を握ることを好む。そのため事前に「終活」を行うことを受け入れる可能性はあるが、それにより物質関連の資産の相続も彼らの考慮の範囲に入ってくる。しかし、音楽プラットフォームの「網易雲」に寄せたコメントや、公開範囲を設定した微信のモーメンツ、友達にのみ公開するよう設定した微博の投稿などには、特定のニュアンスや気持ちが込められており、そこには現実の世界の自分とは全く違う自分がいるかもしれない。

「95後(1995~99年生まれ)」の馮さんは、「ネットサーフィンの内容を誰かに見られたら、『社会的な死』になるので、それを遺産にすることは望まず、死んだらすぐに抹消してほしい」と語る。

例え両親であっても、見られることは「社会的な死」になるという考えが、多くの若者の本音なのかもしれない。(提供/人民網日本語版

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