「理由は言えないけど注意して…」中国国営テレビの女性キャスター、「不適切発言」で停職処分に

Record China    2022年4月7日(木) 15時20分

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米華字メディアの多維新聞は6日、中国国営テレビの女性キャスターが新型コロナウイルスの流行に関する不適切な発言をしたとして停職処分を受けたと報じた。

米華字メディアの多維新聞は6日、中国国営テレビの女性キャスターが新型コロナウイルスの流行に関する不適切な発言をしたとして停職処分を受けたと報じた。

中国メディアの報道によると、中国国営テレビ・遼寧電視台の有名な女性キャスター朱霞(ジュウ・シア)さんが3月30日に個人のSNSアカウントでライブ配信をした際、視聴者が瀋陽市皇姑区の新型コロナの流行状況について質問した。朱さんは、「皇姑区の皆さんはできる限り用心して、個人でできるコロナ予防をしてください。その理由は言ってはならないものもあるのですが」と話し、「私の言うことをちゃんと、聞いてくださいね。なぜなのか、その原因は教えられませんが。私の言うことを聞いてくれれば大丈夫です」「皇姑区の皆さんはより一層気をつけてください、分かりましたか?」と呼びかけたという。

記事によると、この出来事が起こる前の3月27日、瀋陽では70人の新規感染者が出たが、その中で皇姑区が最も多い29人を出していた。現在も瀋陽での新型コロナウイルスの流行は続いており、4月3日には皇姑区全体の住民に対してPCR検査を行うことが決定された。

朱さんのライブ配信の後、多くのネットユーザーが瀋陽政府は新型コロナウイルスに関する情報を国民から隠蔽(いんぺい)している可能性があると指摘し、物議を醸した。そして、遼寧電視台はこの発言を「不適切なものであり、社会に悪影響を及ぼした」とし、朱さんを停職処分とした。

朱さんに同情の声が上がる一方、あるセルフメディアは「朱さんはこの地域の新型コロナの流行状況が深刻だと皆に伝えた。しかし、“深刻”である理由や原因は言ってはならないという。この“言ってはならない原因”というのは、ゴシップ記事の(注目を集めるための)表現に似てはいないだろうか?」とし、朱さんは注目を集めるためにわざと思わせぶりな発言をしたと分析した。

さらに、「朱さんが受けた処分は間違いではない。彼女のために冤罪(えんざい)だと訴える人は、まず朱さんの動画での言動を見てからにすべきだ。朱さんの新型コロナに関する情報のソースが正確かどうかはさておき、著名人の朱さんは公衆の前でこのように言いかけて止めたことや、秘密めいた物言いをしたことで、人々に大きなパニックを引き起こした。朱さんを李医師(注:新型コロナウイルスにいち早く警鐘を鳴らした眼科医で、新型コロナウイルスに感染し亡くなった)のような告発者と比べるのはやりすぎだ」という意見も出ているという。

遼寧電視台が出した別の通知では、「遼寧電視台は省委員会と省政府の代弁者であり、アナウンサーやキャスターの言動は個人のイメージだけでなく、党のメディアにおけるイメージも代表している。グループの党委員会はアナウンサーやキャスターに今回の放送事故から教訓を得て戒めとし、自身を省みて慎重に行動するよう要求した」としている。またキャスター全員に対し、新型コロナ流行中はライブコマースや新型コロナに関する勝手な発言を禁止した。

朱さんは中国版TikTokの「抖音(Douyin)」上で180万あまりのフォロワーを抱えており、個人アカウントの「我是朱霞」もいまだ存在している。しかし、問題の動画はすでに削除され、最新の更新は1週間前の動画で止まっている。(翻訳・編集/刀禰)

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