上海市、ぜんそく患者が救護を拒否され死亡=医師処分に「かわいそう」「管理の問題」の声

Record China    2022年4月1日(金) 18時20分

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新型コロナウイルスの感染拡大により事実上のロックダウンに入っている上海市で、ぜんそく患者が救護を拒否されて死亡する事件が発生した。資料写真。

新型コロナウイルスの感染拡大により事実上のロックダウンに入っている上海市で、ぜんそく患者が救護を拒否されて死亡する事件が発生した。複数の中国メディアが伝えた。

3月30日午前8時ごろ、上海市浦東新区の集合住宅の804号室で男性がぜんそくの発作を起こし、隣人が救急車を呼んだ。隣人は敷地の出入り口にいた警察官に助けを求めたが、「持ち場はここだから動けない」と拒否された。

その後、救急車が到着したものの、隊員は「われわれは202号室の住人の救護に来た」と説明。AEDの貸し出しを拒否し、202号室の患者を乗せるとそのまま去っていった。隣人が呼んだ救急車は午前9時40分ごろに到着したが、男性は処置の甲斐なく死亡した。

上海浦東新区衛生健康委員会は31日、202号室の住人の救護に当たった医師について「任務があったとはいえ、(男性の救護を行わなかった)対応は不当だった」として停職処分としたことを発表。亡くなった男性に哀悼の意を示し、区内の医療従事者に教育強化を指示した。

男性の子に当たる人物は同日、ネット上で「市民と医師の対立を招きたくない。この出来事の中でたくさんの親切な医療スタッフもいたから」とした上で、「検討すべきなのは、こういう突発的な状況に直面した時、医療資源をどう分配するか、関係者がどう判断するか。今後も同じように(コロナで)医療資源がひっ迫してすぐに救護が受けられない状況がきっと起こる。悲劇は元に戻すことはできないが、父の死によってシステム全体がより完全なものになり、すべての病人が適切な救護を受けられることを願っている」とコメントした。

ネットユーザーからは「遺族は立派だ」「遺族はもう十分理性的にコメントしている」との声や、「かわいそうなお医者さん」「こういう状況に出くわした医者も巻き込まれたと言える。(AEDを)貸しても貸さなくても間違い」「医者は何も間違っていないのになぜ処分するんだ?問題なのは管理。なぜ根本的な問題に目を向けず、一人の医師を処分するんだ」「政府の管理の問題だろう」「後は政府が回答を出さなければならない。こういう悲劇はもう二度と起きてほしくない」などの声が上がっている。

上海市では3月23日にも、ぜんそくの発作を起こした看護師の女性が、病院の救急窓口がコロナ対策で閉鎖されていたことで適切な処置を受けられずに死亡する事例が起きていた。(翻訳・編集/北田

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