たった5000円の高齢者給付金、なぜ日本人は反対したのか―華字メディア

Record China    2022年4月2日(土) 15時30分

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華字メディア・日本華僑報は3月31日、「日本人はなぜたった5000円を高齢者に支給することに同意しないのか?」と題する論評記事を掲載した。

華字メディア・日本華僑報は3月31日、「日本人はなぜたった5000円を高齢者に支給することに同意しないのか?」と題する論評記事を掲載した。

記事は、「新型コロナウイルスの出現は、各国の人々の社会生活と経済発展に大きな影響与えた。国民が一時的な困難をやり過ごすのを助けるため、日本政府は多くの特別措置を導入した。それは、単純にお金を支給することである」とし、日本で行われた施策の例として、子育て世帯に支給された10万円の「臨時特別給付金」や、経営者やフリーランサーに向けた「休業支援金・給付金」、国民全体(3カ月を超える在留資格を持つ外国人を含む)に支給された10万円の「特別給付金」などを挙げ、「これらの施策からは、共に助け合い困難な時を克服しようという温かみが感じられる」とした。

そして、3月中旬に日本政府が年金受給者らに一人当たり5000円の臨時給付金を支給すると報道された際には、「世論は騒然とし、多くの人が反対した」と説明。共同通信の電話世論調査では66%が今回の施策を「適切だとは思わない」と回答したことを挙げ、「(子育て世帯や特別給付金の)10万円は支給すべきなのに、なぜ5000円は出すべきではないのか?子育てのためには給付金を受け取れるのに、高齢者は面倒を見てもらうべきではないのか?『吾が老を老として以て人の老に及ぼし(わが家の老人である両親を敬い、その気持ちで他の老人も敬う)』なのに、日本人はどうしてそんなに冷酷なのか!しかし、実際にそうなのだろうか?」と疑問を投げかけた。

記事はまず、「この5000円の給付に反対する理由として、“わいろ”の疑いを持っている人々がいる」と指摘。「“高齢者に給付金を出すこと”ではなく、“この時期に出すこと”がおかしいというのだ。今年7月、日本では参議院選挙が行われる。この時期に高齢者に向けて臨時給付金を支給することは、その真意が別のところにあるのではないかと感じられるのである。結局、日本で最も政治に対して熱心なのは高齢者たちなのだから。さらに、このような働きかけは今回に限った話ではない」として、6年前の参議院選挙の前年(2016年)に、条件を満たす高齢者に一人当たり3万円が支給された「年金生活者等支援臨時福祉給付金」を例に挙げた。

次に、「退職した高齢者だけを対象にするのは、現在働いている人々を軽視しているとの意見も多く出た」とし、「いわゆる年金制度というのは、退職した人の将来の生活を保障する制度の一つである。現在働いている人々が納める保険金によって、退職者に年金を支給している。そして、社会全体の収入や物価水準の変化に応じて(支給額を)調整することで、バランスの取れた経済の循環を形成することができる」と説明。「『人生100年時代』を迎えた日本では、ますます長寿の高齢者が増え、政府が支給する年金の総額は増加する一方である。より大きくなった財政上の圧力は、そのまま現役世代が納める税金と保険金に降りかかってくる」とした。また、コロナウイルスまん延の影響で働く人々の収入が減ったことで、年金支給額も減額されたことを挙げ、「日本の年金制度を支えている現役世代こそが最も経済的な圧力にさらされている」と指摘した。

さらに、「高齢者に給付金を出すという施策は、岸田文雄首相のガバナンス力の未熟さを露呈した」とし、「岸田氏は政権を握った後、安倍晋三元首相のインフレ政策とは正反対の緊縮策をとった。しかし、高齢者を対象に無差別に現金をばらまく方法は、明らかに緊縮策とは相反するものである。さらに、何か問題が起こればすぐにお金が出され、有益な政策議論をせず、国政運営の理念もない。このように、あたふたと動き、前後には矛盾を抱え、根本を捉えていない政治で、国民は岸田氏の政治能力と日本の未来に対して不安を感じずにはいられないだろう。ニュースはすでに広まった。岸田氏は引っ込みをつけることができるのか、これもまた政権運営の知恵が試される難題である」と論じた。(翻訳・編集/刀禰)

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