「洗脳」にも残業にもノー、経営者を選ぶ若者―中国

人民網日本語版    2022年4月1日(金) 9時50分

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今年はミレニアル世代の「00後(2000年代生まれ)」が初めて社会に足を踏み入れる。

今年はミレニアル世代の「00後(2000年代生まれ)」が初めて社会に足を踏み入れる。「80後(1980年代生まれ)」や「90後(1990年代生まれ)」と同じように、00後もさまざまなレッテルを貼られている。経営者に言い返す、わがままですぐに仕事を辞める、ガラスのように繊細で弱い心……レッテルにはいつもどこか偏りがあるが、実際に社会に出て働くようになった00後は、職場でどのような姿を見せているのだろう。中国青年報が伝えた。

今年大学を卒業した2000年生まれの王さん(仮名)は、2年生の頃からメディア関係の企業で実習生をしてきた。「00後の最大の特徴は目標が明確であること。大学院に行くか就職するか決めるのはますます早くなっている。一度方向性を決めたら、全力でそちらに向かう」という。

00後の目標が明確なことは、以前より豊富な情報収集とより激しくなった競争環境に原因がある。00後の多くは小さい頃からインターネットに触れ、より多様な情報を得ることができた人たちだ。ネットで同世代の人が何をしているか、選択する道によってどんなメリットとデメリットがあるかなどの情報に触れてきた。職業の方向性を早く決定するため、大学1年の頃からいくつかの実習を経験し、実習の中で試行錯誤を重ねてきた人が多い。

00後は目標が明確なだけでなく、非常に楽観的でもある。調査によると、回答した大学生の20%以上が、「大学を卒業したら月収は1万元(約19万円)を超えると期待する」と答えており、これは00後の大半が恵まれた物質的条件の環境で育ったことと関係がある。だからこそ、00後の多くは仕事を探す時に自分の興味関心をより重視する。

一般的な意味での「アルバイト」とは異なり、00後のフレキシブルワークはネットやビッグデータなどの新技術の応用を背景とした自主的な就職や起業を指す。頭の動きが活発で、創造性に富んだ職場の新人たちは、より自由な労働環境を志向し、自分の好きなことで働けるなら、大企業で「歯車の一つ」になるよりずっとましだと考える。

企業で働くことを選択する場合、00後は自分の興味関心だけでなく、企業の雰囲気をより重視する。前出の王さんは最近転職を考えており、その理由は「会社が実現しそうもない約束をするから」だという。「社長はプロジェクトが成功すれば報奨金を出すといっているが、プロジェクトの進捗が遅く、組織内で運営する新メディアはアクセス数やクリック数が重要な業績評価指標(KPI)になるので、誰もが効果の薄い内部競争を繰り広げ、早めに退社しようものなら『努力が足りないのでは』と疑いの目を向けられる」と王さん。

00後は仕事をめぐり平等の観念をもっとよく強く持つ世代だ。彼らは一般的に社員と会社は協力関係にあると考えている。協力であるからには、互恵・ウィンウィンの関係で、相互に尊重し合わなければならないという。会社にすべてを捧げ、「996」などと言われるように朝9時から夜9時まで週6日間がむしゃらに働く時代は昔話になった。効果の薄い残業に反対し、マインドコントロールを拒否するのが、00後の職業観だ。

求職サイドと雇用サイドの立場が入れ替わりつつあり、00後の一部はこれまでとは逆に企業の「背景調査」を行うようになった。「試用期間が6カ月以上でその間の賃金が正社員の80%以下」、「996のブラック企業」、「週に休みが1日だけか隔週の週休2日の上に残業代が出ない」などが「調査」でよく見られる問題だ。

大半の00後にとって、効果の上がらない残業に反対することは彼らが「寝そべり族」であることを意味しない。自分の好きなことなら、00後は誰よりも意欲的に人と競い合う。ネットには00後の大学生の動画配信者やライブ配信パーソナリティーがたくさんおり、面白くて内容のある動画シリーズを作成するためなら、何週間も、時には何カ月も手間暇をかける。彼らにとっては、残業は構わないが、そこには意義があると感じる必要がある。

00後は仕事を探す中で、上の世代よりも平等の観念を強く持つことが注目される。女性向けの福利厚生は00後が特に注目する企業の福利厚生の1つだ。ますます多くの企業が女性社員のために生理休暇を設け、妊娠中の社員に特別な優遇策を打ち出し、仕事を探す女性に評価されることを目指す。ネットでは同一労働・同一賃金を呼びかけるスレッドを立てる00後をよく見掛ける。広い視野と包摂的な環境で育った00後は、どの世代よりも男女同権の意識が高い。

自動車ガラスメーカーの福耀玻璃を創業した曹徳旺さんは以前、「若い人が残業をよしとしないのは、時代の進歩だ。中国は今、人口ボーナスの時代から人材ボーナスの時代へと移る重要な時期にさしかかっており、仕事の中で人生の価値を実現すること、仕事と生活のバランスをしっかり取ることこそ、今の若者にとって最大の関心事なのだ」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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