「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞―中国メディア

人民網日本語版    2022年3月29日(火) 20時0分

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第94回アカデミー賞授賞式が現地時間3月27日夜、米国で開かれ、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞した。日本の映画で同賞を受賞するのはこれで5作目となる。

第94回アカデミー賞授賞式が現地時間3月27日夜、米国で開かれ、濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞した。日本の映画で同賞を受賞するのはこれで5作目となる。アジア映画としては、同賞を前回受賞したのは2年前の韓国のポン・ジュノ監督の「パラサイト 半地下の家族」だ。人民網が報じた。

2019年、アカデミー賞の「外国語映画賞」の名称が「国際長編映画賞」に変更された。同賞を受賞した日本の映画を見ると、1952年の黒澤明監督の「羅生門」、1955年の衣笠貞之助監督の「地獄門」、1956年の稲垣浩監督の「宮本武蔵」、2009年の滝田洋二郎監督の「おくりびと」などがある。

村上春樹の同名短編小説を原作とする「ドライブ・マイ・カー」は、脚本家である妻を亡くした舞台俳優兼演出家の家福悠介が、演劇祭「ワーニャ伯父さん」の演出を担当することになり、広島に向かうために、専属ドライバーの渡利みさきを雇い、黄色のサーブ900コンバーティブルに乗って時間を共有するうちに、悠介は浮気していた妻に対する複雑な思いを話し始めるというストーリーだ。

昨年7月に開催された第74回カンヌ国際映画祭で、「ドライブ・マイ・カー」は、脚本賞を受賞し、濱口監督は同賞を初めて受賞した日本人監督となった。そして、今年2月には、第94回アカデミー賞の作品賞に、日本映画としては初めてノミネートされた。これまで濱口監督の先輩たちも、是枝裕和監督の「万引き家族」も、「外国語映画賞」へのノミネート止まりだった。濱口監督は一躍世界から注目される日本人監督となり、作品賞受賞こそ逃したものの、日本映画の歴史に新たな1ページを加えた。

「ドライブ・マイ・カー」が多くの賞を総なめしていることに関して、濱口監督は謙虚な姿勢を崩さず、各国の記者に対して、「村上春樹さんへの関心があって映画が注目されている」や「村上さんの作品が持つ癒しの要素が、米国の人々を魅了している」と語った。

■村上春樹作品の映画化の秘訣は?

濱口監督は、近年の日本、ひいてはアジアにおいて、成長が著しく、現代日本映画の次世代を担うと期待を集め、世界の映画界で熱い注目を集めている監督の一人だ。

「ドライブ・マイ・カー」を映画化する際、濱口監督は原作に忠実で、村上春樹の精神に則ることに重きを置いた。そして、イメージ化された文字の中から、映像化に最も適した人物やシーンのヒントを見つけ、そのスピリッツや思いを分析したという。

「ドライブ・マイ・カー」のプレミア上映の後、濱口監督は中国の週刊誌「三聯生活周刊」の特約ライターの取材に応じ、作品作りの詳細や経験について語った。

その中で、「村上春樹さんの小説を映画化するのはとても難しいというのは周知の事実だが、監督にとって、自分のオリジナル作品と他の人の文学作品を映画化する時の違いは何か?」という質問に対し、濱口監督は、「他の人が書いたオリジナルストーリーがあるほうが、作品作りをするのは容易だ。自分で脚本を書く場合は、自分が作り出す全ての世界を見る人に受け入れてもらわなければならない。しかし、別の作者がその作業をすでにしてくれていると、非常に助かるのは間違いない」とした上で、「しかし、文字で書き表した人気ある小説を、魅力ある映像作品、例えば、映画にするというのは新たなチャレンジとなる」と語った。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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