上海市ロックダウンの背景=中国専門家「オミクロン株、ワクチンだけでは阻止できない」

Record China    2022年3月29日(火) 18時20分

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上観新聞は28日、中国上海市のロックダウンについて現地の専門家たちの分析を紹介する記事を掲載した。多維新聞が同日付で伝えた。

中国のニュースサイト・上観新聞は28日、中国上海市のロックダウン(都市封鎖)について現地の専門家たちの分析を紹介する記事を掲載した。

新型コロナウイルスの感染拡大が続く上海市は、28日から市内を2地域に分けて事実上のロックダウンを開始し、全住民を対象にPCR検査を始めた。

上観新聞の報道によると、上海交通大学医学院附属瑞金医院の陳爾真(チェン・アルジェン)副院長は、「私はこの2日間、上海世博展覧館の臨時集中隔離施設で働き、多くの患者がさまざまな場所で感染したことがわかった。これは現在、家庭や会社、工場などのコミュニティーにおける感染が非常に深刻であることを物語っている」と述べた。また、「もし(無症状の)陽性患者がまだ社会活動の中であちこちにウイルスを広めていたなら、急速なまん延を引き起こしただろう」とした。

復旦大学附属華山医院感染科王新宇(ワン・シンユー)副主任医師は、「オミクロン亜型BA.2株(ステルスオミクロン)は人類に前例のない挑戦をもたらした。以前流行した別のウイルス株と比べて無症状の感染者の割合が多く、感染源を直接特定するのが難しい。そのため現在は、多くの人に対してPCR検査をすることで感染源特定のための資料とすることしかできない」と述べた。

また、「オミクロン亜型BA.2株の感染速度はとても速く、感染源の人と(高齢や持病などで)感染しやすい人が接触する機会があるだけで、今日の感染しやすい人は明日の感染源になる可能性がある。ウイルスは急速に広がり、症例は指数関数的に増える可能性がある」と分析。さらに、「オミクロン株に対するワクチンの防御力はさらに低下しているため、ワクチンの接種だけでウイルスの感染を阻止することは困難である」と指摘した。

同氏はさらに、「現段階の上海で新たに一斉PCR検査に乗り出すことは状況的に必然であり、緊急かつ必要なことである。今できることは、人の移動を減らし、感染経路を断ち、感染者と感染しやすい人との接触を最大限回避すると同時に、新たに一斉PCR検査を進めることで感染源となっている感染者を見つけ出し、感染者と感染しやすい人とを徹底的に隔離することである」との見解を示した。(翻訳・編集/刀禰)

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