きれいだけど食べにくい「美しい役立たず」?桜モチーフの飲食品が大人気―中国

人民網日本語版    2022年3月23日(水) 8時50分

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スーパーマーケットに入ると、桜モチーフの飲食品や甘酸っぱい香りのベリー類などが目を引く。

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スーパーマーケットに入ると、桜モチーフの飲食品や甘酸っぱい香りのベリー類などが目を引く。こうした「春限定品」は「舌で味わう春」の中心部分を占めている。

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■春の商品棚、至るところに桜

3月の初め、満開シーズンに先だって、桜はコーヒーカップの中で花を咲かせた。マキアート、桜フレーバーラテ、春の桜ティー……スターバックス、瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)、奈雪の茶などのカフェブランドが、桜を取り入れた新商品を次々に発売した。

飲料品だけでなく、食品にもいろいろな戦略が見られる。ポテトチップスのブランドのレイズは春限定の新商品ポテトチップスを販売し、菓子メーカーのグリコはお茶フレーバーのプレッツェル(商品名・百醇)を発売した。「何にでも合う」春の伝統的なお菓子の青団(清明節<先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月5日>に江南地方で食べられる伝統的な季節のもち菓子)や米醸(白酒)にも桜や桃のフィリングがいっぱい使われている。スパイシーな鴨のスナックで知られる周黒鴨も、ネットユーザーから「新しい味を開発できないなら無理矢理新商品を出さなくていい」とツッコまれながらも、「桜風味砂糖がけ鴨ネック」を売り出した。

各ブランドは味だけでなくパッケージにも春の衣を着せている。桜と白桃、抹茶などのフレーバーだけでなく、目新しくかわいらしい春仕様のパッケージを使用して、ブランドごとに春モデルを打ち出している。

■きれいだけど食べにくい「美しい役立たず」?

桜の見た目の美しさと明らかな対照をなすのは、「美しい役立たず」などと言われるその味だ。

SNSで桜フレーバーのおやつに対する評価を見ると、「本当に桜のフレッシュな感じがする」と評価する人もいるが、「酸味も甘みも淡くて、脳内で桜のイメージを補完しないとだめ」、「味は顔面偏差値ほど高くない」といった低評価の方が多い。

資料によると、桜は中国では庭園、医薬品、スキンケアに使用されることが多い。中国農業大学食品科学・栄養工程学院の朱毅(ジュウ・イー)准教授の説明によると、桜は中医薬の伝統的な原料の一つで、食物の性質としては「平」か「涼」に属し、肺の機能を高め熱を冷ます、咳を止め呼吸困難を改善する、腸内の水分不足を改善する、アルコールの酔い覚ましに用いられるなどの効能がある。ただ、体が冷えている人が摂取すると下痢や嘔吐などの症状を起こしやすいという。

ここ数年人気が高い桜フレーバーだが、実は食品業界では桜はまだ「新入り」だ。

■桜はなぜこんなに人気か?

夏のスイカ、秋のキンモクセイ、冬の栗などのように、桜には季節のイメージを喚起させる力があり、消費者は花が咲き乱れる春のシーンを思い浮かべ、桜モチーフの商品を買うときには、素晴らしい春の訪れを願う気持ちをそこに込める。

しかしマーケティングの角度から見ると、もともと春と「紐付け」されている桜には、花のシーズンとバレンタインデーや国際女性デーなど女性と深い関わりのあるイベントがちょうどぶつかるという時期的な優位性もあり、花びらやピンク色などロマンティックなモチーフが多くの女性消費者を引きつける。さらにブランドマーケティングを実施するチャンスも提供し、「彼女経済」で次々にシェアを獲得しようとしている。

マーケティング業界関係者は、「限定品が消費者に提供されるのは、商品とブランド以外の感情面でのプレミアであり、美しさ、独自性、社交的要素などユーザーの多面的なニーズを満たす」と総括する。

「春限定」と言われると、味としては食べにくくても、自分の中の乙女心をくすぐられて桜フレーバーの商品を買う人がいる。ちょっと余分にお金を払っただけで楽しさを買えるなら、お金を出す価値は十分にあると言える。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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