「嫦娥5号」が持ち帰った月の岩石、研究ブームを引き起こす―中国

人民網日本語版    2022年3月21日(月) 15時50分

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2020年12月、中国の「嫦娥5号」帰還モジュールが2キログラム近くの月のサンプルを持ち帰った。これらの月の岩石は中国の科学者の研究意欲をかき立てた。写真出典は英科学誌ネイチャーのウェブサイト。

英科学誌ネイチャーのウェブサイトに掲載された16日付の文章によると、2020年12月、中国の「嫦娥5号」帰還モジュールが2キログラム近くの月のサンプルを持ち帰った。これらの月の岩石は中国の科学者の研究意欲をかき立てた。彼らは月の進化の歴史を解明すべく、その研究を展開している。科技日報が伝えた。

中国科学院地質・地球物理研究所(IGG)の李献華(リー・シエンホア)研究員はこれまで、主に地球上の熔融岩石を研究していた。しかし嫦娥5号が中国最初の月の岩石を地球に持ち帰ると、これらの岩石の研究を開始した。

李氏は月の岩石を研究する機会を初めて手にした中国の多くの科学者の一人だ。これらの岩石のサンプルは、40年以上前の米航空宇宙局のアポロ計画と旧ソ連の月探査任務以降、人類が初めて持ち帰った月のサンプルだ。

中国の多くの科学者が現在、月の変化の過程を理解しようと嫦娥5号のサンプルの研究を展開している。初期の研究結果は科学者を喜ばせた。彼らは過去6カ月に嫦娥5号のサンプルに関する論文を6本発表した。米テキサス州ヒューストンでこのほど開かれた月と惑星の科学会議では、中国の月探査任務に関するフォーラムが開かれ、科学者がおよそ十数件の研究成果を提出した。

米ノートルダム大学のクリフ・ニール教授(土木工学・地質科学)は以前、中国の科学者と共に嫦娥5号のサンプルを研究した。「多くの若い中国の研究者が加わっていた。これらの月の岩石は人々を喜ばせた。科学者たちが月のマグマ活動の異なる時期を研究するための窓だからだ」と同氏。

中国科学院が発表した嫦娥5号の月のサンプルに関する最新の研究成果によって、これが一種の新たな月の海の玄武岩であることが証明され、米国と旧ソ連の月サンプル採取任務の「空白」を埋めた。研究によると、月では20億年前までマグマ活動が存在していた。後期マグマ活動のマントル源には放射性熱生成元素が含まれない上、非常に「乾燥」していた。複数の画期的な進展は、月の変化に全く新しい認識をもたらし、将来の月探査および研究に新たな方向性を示し、海外の専門家から高評価された。

中国国家航天局は昨年7月、中国の複数の科学者に最初のサンプルを配布した。彼らは85件の申請の中から31件の科学プロジェクトを選出し、約17.5グラムの粒子状粉末と固体岩石を配布した。その後また月のサンプルの研究に関する申請が数件届いた。

最初の研究チームは月の岩石の年代を特定した。ある研究チームは昨年10月7日、こうした玄武岩の年齢が19億6000万年(誤差は5700万年内)と報告した。李氏を含む別の研究チームは2週間もたたないうちにこの推測を裏付け、この玄武岩の年齢を20億年(誤差は400万年内)と推測した。

これらの研究結果は、月が当時、火山の活動状態であったことを証明した。アポロ計画で回収された岩石が示す火山活動のピーク期と比べ10億年近く遅れていた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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