韓国・尹錫悦新政権、対日関係の改善目指ざすも「すぐには無理」の見方―香港・亜洲週刊

亜洲週刊    2022年3月20日(日) 18時0分

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9日に実施された韓国大統領選挙で勝利した尹錫悦の改善を強調しており、日本でも期待する声が出ている。しかし香港誌の亜洲週刊によると、改善はそう簡単に進まないとの声が日韓双方から出ている。

韓国では9日に実施された大統領選挙では、保守系で最大野党の「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が勝利した。尹氏の大統領就任は5月の予定で、リベラル系与党の「共に民主党」文在寅(ムン・ジェイン)政権の方針が大きく転換される見込みだ。香港誌の亜洲週刊はこのほど、文政権下の日韓関係の極端な悪化と、尹政権下における日韓関係を予測する毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。以下は、その要旨に若干の説明を入れるなどで再構成したものだ。

日韓関係は歴史的な恨みの中で長期に渡り冷え込んでいた。しかし、尹氏は韓米同盟と韓米日3国の安保協力強化の重要性を強調した。韓日関係については歴史問題の包括的な解決と未来志向の関係の構築、10年以上中断していた韓日首脳のシャトル外交の再開を唱えている。また、当選が確定した後に、文大統領の場合は米国、中国、日本の順に相手指導者と電話会談したのに対して、尹氏はバイデン米大統領の次に岸田文雄首相と電話会談した。

日本の主要5紙は尹氏の動きに対して肯定的な見方を示した。経団連など日本の三大経済団体も、尹政権の下で日韓関係が暗黒のトンネルから抜け出し、転機を得ることを期待する異例の姿勢を示した。

日本と韓国は極めて近い位置関係にある。どうして対立する冷たい関係に陥ったのか。1960年代に軍事独裁政権を率いていた韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領は当時の北朝鮮の急発展に対抗するために、日本から資金を得ようとした。そのために締結したのが日韓基本条約だ。韓国が同条約だけで直接に獲得した金額だけも、当時の韓国の国家予算の1.6倍の5億ドルだった。韓国はまた、韓国内にあった植民地時代の資産の請求権も日本に放棄させた。

韓国ではその後の民主化などに伴い、植民地時代の歴史的建造物である旧朝鮮総督府の解体や、日本に対して朝鮮侵略に対する謝罪や慰安婦、強制労働者などへの補償を求める動きが相次ぎ、日韓関係は波乱含みになった。

米国はその後、中国や北朝鮮を牽制(けんせい)するために日米韓の3カ国安全保障協力を強化するために、日韓に関係改善を求めた。日本は韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権と慰安婦など歴史問題を完全に不可逆的に最終的に解決することで合意し、日本側は10億円(約八百四十万ドル)を拠出して韓国に慰安婦財団を設立し、形を変えて韓国人慰安婦への賠償を処理することになった。しかし、朴槿恵氏は国内の民族主義的な反日感情に迎合し、日韓関係は実質的に改善されなかった。

文在寅大統領は2017年に就任すると、慰安婦財団を公然と解散させた。韓国最高裁は18年に新日鉄住金に対して、第二次世界大戦中の強制労働を理由に韓国人労働者4人に対する賠償を命じる判決を言い渡した。日本政府は日韓基本条約における韓国側の請求権放棄を主張したが、日韓の交渉はまとまらなかった。

日本は19年に、貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから韓国を除外した。日韓関係は、1965年に日韓基本条約で国交を成立させて以来の最悪な状態に陥った。

一方で、尹錫悦氏は日韓関係改善を打ち出し、1998年の「日韓共同声明」の協力精神を回復し、歴史、貿易、安全保障の紛争を全面的に解決することを提起した。

尹氏はまた、米韓同盟の強化と日米韓の軍事安保協力により北朝鮮と中国の軍事的脅威を牽制することは、日本にとっても米国にとっても喜ばしい政治戦略だと強調した。バイデン氏は尹氏に対し、早期訪米を要請し、日本の各界も日韓関係の回復に期待を示すようになった。

しかし、日本では、日韓関係改善のきっかけはあったものの、歴史的な確執がつきまとっている現実や、尹氏が今後、国会の野党約6割の妨害に直面し、韓国側の意見を調整できるかどうかが課題になるとの見方も出ている。

韓国・世宗研究所日本研究センターの陳昌洙(チン・チャンス)センター長は、韓国社会では二極化が進んでおり、左派団体はこれまで以上に日本との和解に反対する可能性があると指摘。その上で、尹錫悦新大統領が就任した直後から日韓関係の大幅な改善を期待するのは早計との見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人

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