ゼロコロナそれとも共存?中国の専門家「まだ全面的開放の準備できていない」

人民網日本語版    2022年3月16日(水) 19時50分

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復旦大学附属華山病院感染科の張文宏主任は今後の新型コロナウイルス対策について、「はっきりとした思考回路を持つべきで、ゼロコロナか共存かの論争ばかりしてはならない」と指摘した。写真は成都のワクチン接種。

上海復旦大学附属華山病院の感染科の張文宏主任は14日、公式微博(ウェイボー)アカウントで、今後の新型コロナウイルス対策について、「はっきりとした思考回路を持つべきで、ゼロコロナか共存かの論争ばかりしてはならない」と指摘した。

張氏は、「このウイルスの致死率はかなり低くなり、集団免疫を獲得している国の致死率はインフルエンザを下回るようになっている。しかし、今、急に開放すると、短期的に非常に多くの人が感染し、どんなに致死率が低いとしても、医療が逼迫したり、社会生活が短期的に打撃を受けたりし、社会や家庭に対して埋め合わせのできない危害が及ぶ」と説明している。

■感染拡大の今の段階は?

張氏は、「中国国内の拡大は上昇カーブの初期段階にある」と分析している。

■ウイルスの毒性弱まった?

張氏は、「ウイルスの毒性は確かに目に見えて弱まった。香港の今回の拡大で死亡した感染者を見ると、高齢のハイリスクという要素を除くと、その大多数は明らかに基礎疾患を持っていた。つまり免疫機能が正常で、ワクチンを打っていれば、どの種類のワクチンであったとしても、ブースター接種を受けていれば、ほぼ問題はないということ。このウイルスに関しては、恐怖を取り除くというのが、私たちの踏むべき第一歩となる」との見方を示している。

■「ゼロコロナ」対策は必要?

中国のゼロコロナ対策について、張氏は、「感染拡大の速度が非常に速いオミクロン株が原因の第5波を、完全にコントロール可能な水準まで抑え込むというのは非常に重要」との見方を示す。

そして、「最近の中国各地の新型コロナ感染拡大の対応状況を見ると、心理的にも、社会の資源の配置という観点から見ても、大量の感染者が同時に出現する準備がまだできていないことが分かる。今、全面的に開放すれば、必ず医療が逼迫し、予測できないほどの超過死亡が発生する」と強調する。

ただ、「これは永続的にロックダウンや全市民を対象にしたPCR検査といった措置を講じるという意味ではない。永続させるべきなのは、受け入れやすく持続可能な措置。この後に必ず到来する市中感染ゼロという非常に貴重なチャンスと空白期間に、高齢者のブースター接種推進や最適化されたワクチン、ワクチン接種の計画、幅広く供給できる飲み薬、手軽に入手できる家庭用検査キット、効果的な訓練や予行演習を経た患者を区分する診療計画、今後の自宅隔離の流れ、次に輸入症例と国内症例の大規模な同時発生が起きた時に必要な整った対策・体系、十分な医療資源の準備といった、さらに整備され、知恵があり、持続可能な対応策を練っておかなければならない」との見方を示している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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