15省の人口統計が発表、河南省は44年ぶりに出生人口が80万人割り込む―中国

人民網日本語版    2022年3月16日(水) 18時50分

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中国国家統計局が2021年の人口統計を発表したのに続いて、広東省や河南省を含む15省も2021年人口統計を発表した。写真は河南省鄭州市。

中国国家統計局が2021年の人口統計を発表したのに続いて、広東省や河南省を含む15省も2021年人口統計を発表した。

15省のうち、広東省と湖北省は人口が最も多い都市トップ3に入っている。また、12省が2021年の出生人口統計を発表し、広東省は唯一100万人の大台を超えた省となった。そして、人口が1億人を超える河南省の出生人口は1978年以降で初めて80万人を下回った。

■一部の省の人口が増えている原因は?

当稿執筆時点で、統計を発表している15省のうち、9省の常住人口が増加したのに対して、6省は減少していた。うち、浙江省は72万人増、広東省は60万人増、湖北省は54万7000人増と、増加幅が50万人の大台を突破した。

人口増加には自然増加と社会増加(流入数ー流出数)の側面がある。浙江省の自然増加数は6万5000人だった。それに基づいて計算すると、同省の社会増加数は(省外から流入してきた常住人口数)は65万5000人だった。

中国中部の湖北省の常住人口増加幅は3位で54万7000人だった。自然増加を見ると、2021年、同省の出生人口は40万4000人で、出生率は人口1000人当たり6.98人、自然増加率は人口1000人当たり-0.88人だった。このように湖北省の常住人口の自然増加率はここ数十年で初めてマイナスへと転じた。

また、これに基づいて計算すると、2021年、湖北省の社会増加数は65万5000人だった。2011年以降の湖北省の常住人口の推移を見ると、2011‐19年は増加の一途をたどっていたのに対して、2020年は前年比で151万7000人減少した。そして、2021年には再び54万7000人増となったことは注目に値する。

専門家は、そのような推移は、新型コロナウイルス感染症拡大と密接な関係があると見ている。2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大が発生して、一部の人々は省外にいたため、統計に数えられることはなかった。しかし、2021年に経済・社会が全面的に回復し、それらの人々が戻って来たと分析されている。

■中国の人口勢力図に変化

人口を全国的に見ると、中国の総人口の増加ペースは鈍化しており、全国の人口をめぐる勢力図が変化しており、中部、西北エリア、東北エリアといった地域の人口が依然として、南東の沿海地域へと集まっている。中国社会科学院都市発展・環境研究センターの研究員・牛鳳瑞(ニウ・フォンルイ)氏は、「人口の分布は産業の分布と関係している。 産業が発展すればするほど、雇用の機会も増え、給与の水準も高くなり、若者たちも集まるようになる。そのため、南東の沿海地域の経済発展が、多くの人口が流入する要因となっている」と分析する。

すでに人口統計を発表している15省のうち、12省が2021年の出生人口統計を発表している。うち、1億人以上の人口を抱える広東省、河南省、山東省も同統計を発表している。中国トップの経済大省である広東省の出生人口は118万3100人と、中国全体の11.1%を占め、その出生人口が100万人の大台を超えた全国唯一の省となった。

広東省の後に続いたのは河南省で79万3000人だった。ただ、1978年以降の最少記録で、1983年以降で初めて80万人の大台を割った。同省の出生人口は2020年に初めて100万人の大台を割っていた。中国で3位の経済大省である山東省も1983年以降で初めて80万人の大台を割った。

広東省、河南省、山東省の2015年以降の出生人口の推移を見ると、2015年の順位は上から順に河南省、山東省、広東省だった。二人っ子政策が全面的に実施された2016年、山東省の出生人口がトップに立って177万人となり、増加幅は43%に達した。一方、河南省と広東省の増加幅は、5.14%と7.9%にとどまった。2017年、山東省は引き続き175万人と高水準を保ち、広東省は151万6300人で2位となり、河南省は3位に順位を落とした。

2018年、山東省の二人っ子政策の全面的な実施効果は薄れ始め、出生人口は133万人と、減少幅が24%になり、順位も2位に落ちた。それに対して、広東省と河南省もやや減少したものの、減少幅はかなり小さくなり、広東省がトップに立った。2019年には、山東省の出生人口は118万人で3位に後退し、1位は広東省、2位は河南省となり、その順位を2021年までキープしている。

全体的に見ると、山東省は計画出産政策の変化の影響を最も受けており、特に二人っ子政策が全面的に実施されると、2016年には出生人口が前年比で53万4800人多い177万600人と、中国全土の約10分の1を占めた。うち、第二子の割合が63.3%と、第一子を大きく上回った。ただ、二人っ子政策の効果が薄れるようになって以降、山東省の出生人口の減少ペースは最も速くなった。

一方、広東省と河南省は、計画出産政策の変化の影響をあまり受けていない。その他、広東省は経済が発達し、都市化が高いものの、その人口出生率も常に高い水準をキープしている。

牛氏は、「広東省の出生率が高いのは、同省は流入人口が多いことと大きく関係している。流入人口は青・壮年がメインであるため、出産適齢期の人口が非常に多い」と分析している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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