「国賓への贈呈品」デザイナーが中国の工芸美術発展に向けて提言

人民網日本語版    2022年3月10日(木) 15時40分

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13年以上の経験を持つベテラン工芸美術デザイナーの侯湛瑩さんは1980年代生まれの全国人民代表大会の代表だ。

13年以上の経験を持つベテラン工芸美術デザイナーである侯湛瑩さんは、「80後(1980年代生まれ)」の全国人民代表大会の代表だ。第13期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が5日に開幕するのを前に、侯さんは「第一線で働く人の声を伝えることをとても楽しみにしている」とした。人民網が伝えた。

■数千年の文明を「国賓への贈呈品」に

北京握拉菲首飾有限公司・設計部部長の侯さんが率いるチームは現在、国の勲章や国賓への贈呈品のほか、一般向けのアクセサリーや装飾品といった工芸美術品のデザインを手掛けている。

「国賓への贈呈品は民族文化と国家イメージの象徴で、文化的奥深さを備えた意義深いものでなければならない。そして、デザインや作り方などの面でも中国らしさが求められる」と話す侯さんは、作品が観賞性と実用性を兼ね備え、伝統工芸と現代技術を融合させることを重視している。ジュエリーボックスセット「夢と天下」のデザインは彫漆やメタルアートの「花絲鑲嵌」、「鏨刻」といった中国の伝統工芸と3Dプリント技術をコラボさせている。

侯さんは、「国賓への贈呈品をデザイン、製作する過程で、伝統文化に対する自信を最も強く感じる。何千年にもわたり蓄積されてきた文明の成果を国賓への贈呈品という形でPRできるのはとてもうれしい」と話す。

「中国テイスト」を世界へ進出させるために行うべき点について侯さんは、「イノベーションが非常に重要。現代のファッションと組み合わせて、中国の伝統工芸文化に新たな活力を吹き込むことができる。現在流行している中国文化を取り入れた文化クリエイティブグッズはその良い例だ。奥深い中国伝統文化ベースとしたうえで、現代のファッションのトレンドの特徴を取り入れ、両者を融合させるためには、デザイナーが模索と学習を続け、独特なデザインスタイルを編み出さなければならない」との見方を示す。

■「第一線で働く人の声を伝えたい」

侯さんは2018年に全人代の代表に選ばれ、今年で5年目になる。活動内容や流れはもう熟知しているものの、プレッシャーは大きいといい、「末端の一線で働く人の代表として、私の議案は、一線で働く人々の声を反映し、関連業界の問題が解決されるようにしなければならない。参加者は各業界を代表しており、会議に提出する議案や取り上げる問題は、専門的であると同時に、的を射たものでなければならない。そのために、議案の質を磨かなければばならない」と話す。

侯さんは昨年、「工芸美術業界の中・長期発展計画策定」を提案し、採用、実行された。今年は、「工芸美術業界のブランドビルディング」と「伝統工芸美術人材の持続可能な質の高い発展の実現」という2つの議案を提出する予定という。

侯さんは調査を経て、中国の工芸美術業界は現時点で依然として中・小・零細企業がメインで、小規模な作業場で手作業により生産されているケースが多く、ブランドビルディングや市場とのマッチングという面でウィークポイントが存在していることを発見した。そのため、「無形文化遺産や工芸美術企業が生存し、発展していくための『ラスト1キロ』を開通させ、無形文化遺産伝承人の資質ランク審査制度を作り、価格帯の設定や政府調達範囲への組み込みといった対策を講じて、無形文化遺産伝承人や従事者の自信を確立させ、ブランドビルディングを強化し、業界の発展を促進するよう奨励しなければならない」と指摘する。

全人代代表として侯さんが最も関心を寄せているのは、いかに若者を工芸美術業界へと呼び込み、その人材を育成するかという問題だ。そして、「工芸美術業界は高齢化が進み、腕の良い職人の不足が深刻になっている。メカニズムや理念を革新し、制度という角度からさらに多くのサポートを提供する必要がある」とし、「学校と企業が連携して、高い質の専門人材の育成を方向性にして取り組み、政府と業界、企業が協力して人材育成メカニズムを構築する」ことを提案している。

侯さんは、「今後、さらに多くの青年が中国の工芸美術業界で活躍するようになるだろう。多くの若者は、中国伝統文化を愛し、知らず知らずのうちに伝統文化の影響を受けているため、この事業に身を投じることで誇りを感じることができるだろう。私たちはその工芸技術だけでなく、数千年にわたり伝えられてきた中国の文明の成果も受け継いでいる」とした。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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