日本の「非核三原則」はただの紙切れと化すのか?―華字メディア

Record China    2022年3月11日(金) 6時20分

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華字メディア・日本華僑報は8日、「日本の『非核三原則』はただの紙切れと化してしまうのか?」とする論評記事を掲載した。

華字メディア・日本華僑報は8日、「日本の『非核三原則』はただの紙切れと化してしまうのか?」とする論評記事を掲載した。

記事は、安倍晋三元首相が3日、テレビ番組でウクライナ情勢について語った際、北大西洋条約機構(NATO)の「核共有」が核の脅威を効果的に抑制していると述べ、日本も米国との「核共有」について積極的に議論をすべきと発言したことに言及。「そのひと言が大きな波紋を呼んだ。安倍氏の発言は日本社会で強い反発を引き起こした」と伝えた。

記事は、「日本の『核兵器論争』は1960年に岸信介内閣が『日米安全保障条約』を改定したときにはすでに起こっていた」とし、その歴史の始まりとして、「米国とソ連の冷戦の間、核兵器の所持は国家の安全を守るための最も有効な手段だった。しかし、日米安保条約が締結されたにもかかわらず、米国は日本に『核の傘』の提供を保証しなかった。64年に中国の核実験が成功し、『核の脅威』を感じた日本は、すぐさま核兵器の取得を米国と交渉。日本に核を持たせないため、65年の日米首脳会談で米国のジョンソン大統領は日本への『核の傘』提供に承諾した」と説明した。

また、67年に佐藤栄作内閣が策定した「核兵器を『持たず、つくらず、持ち込ませず』」とする「非核三原則」に言及し、「この反核政策で佐藤氏はノーベル平和賞を受賞した。しかし後に、『持ち込ませず』は、核の日本の領土への持ち込みは許さないが、領海への持ち込みは否定しなかったことが判明した」と説明。「実際、佐藤氏は反核ではない。『非核三原則』も『非核2.5原則』に過ぎない」と指摘した。

さらに、68年7月1日に米国とソビエト連邦を含む59カ国が署名した「核兵器不拡散条約」についても、「核保有国と非保有国が核兵器を共有することを禁じてはいない。その結果、NATO諸国は抜け道を見つけ、米国との『核共有』を実現させた」とした。

一方で、「日本は『非核三原則』の制約により米国との『核共有』はできない」と記事は指摘。3日の安倍氏の発言の背景について、「北朝鮮の核問題が起こった際、米国は核兵器の使用問題についてごまかし、日本は米国の核による保護に大きな疑問を持つことになった。ウクライナ危機を受け、安倍氏は再び日本の『非核三原則』に疑問を呈した。米国の『核の傘』は『不確実な使用権』に過ぎず、米国との『核共有』を経て初めて、日本は真に核の『部分的所有権』を持つことができると安倍氏は考えている」と分析した。

その上で記事は、「この段階で安倍氏が『核共有』を持ち出したことは理解できる」と述べ、「日米関係の歴史を見ると、日本はしばしば『中国の脅威』を利用して米国からの『利益』を得てきた。65年の『核の傘』しかり、2014年の日米安保の尖閣諸島への適用しかりだ。中国と米国の戦略競争が激しさを増す中で、安倍氏は再び昔の手口を繰り返し、ウクライナ問題を利用して『中国脅威論』を提唱しようとしている」と指摘。一方で、「今回安倍氏が欲しがっているのは、米国も提供したくはない『大量殺りく器』の核兵器だ。広島出身の岸田文雄首相は安倍氏の発言を支持してはいない。しかし、現在の日本はちょうど『戦後レジーム』から『ポスト戦後レジーム』への転換期にある。岸田首相以降、日本が米国に『核共有』の実現を要求しないと保証することは難しい。その時が訪れたら、日本の『非核三原則』は本当にただの紙切れと化してしまうのだ」と論じた。(翻訳・編集/刀禰)

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