キャラクターグッズ販売のラインフレンズ、一時は12店舗展開の中国から完全撤退

Record China    2022年3月7日(月) 8時50分

拡大

ラインフレンズの実店舗が中国大陸市場から撤退した。オンライン販売に特化したことになるが、キャラクターグッズのブランドを維持するためには、それ以外の努力も必要という。

四川省メディアの成都商報傘下の紅星新聞はこのほど、ラインフレンズ成都遠洋太古里店が2月10日に閉店した件を取り上げ、背後にある状況を解説する記事を発表した。ラインフレンズは一時期、中国大陸大陸部で12店舗を展開していたが、成都遠洋太古里店の閉店により、中国大陸部から姿を消したという。

ラインフレンズは、LINE株式会社が手掛ける商業施設で、ラインスタンプに登場するキャラクターグッズなどを扱っている。中国市場に実店舗展開を始めたのは2015年で、上海市、四川省成都市、浙江省杭州市、江蘇省南京市など、一時は中国大陸部で12店舗が営業していたという。しかし20年からは各地の店舗を次々に閉じ、22年2月28日には最後まで残っていた成都市内の店舗も閉店した。

記事によると、中国国内のラインフレンズの利用経験があるという中国人は「オフライン店は価格が高すぎる」「グッズの更新スピードが遅く、新商品のアイデアも抜きん出ていない。絵柄を追加したり形を変更するだけでは、消費者にアピールできないと思う」などと述べた。

ラインフレンズの人気が低下した要因の一つとしては、中国で作られたキャラクターグッズの人気が出てきたことがある。しかし、「私は韓国の別のキャラクターグッズが好き。カカオフレンズの商品です。ラインショップよりデザインがいい」と、ラインフレンズは同じ韓国のカカオフレンズにも後れを取っていたと指摘する声もあるという。

ラインフレンズは、ECプラットフォームの陶宝(タオバオ)や天猫(Tモール)では営業を続けている。ラインフレンズは、顧客に実体験してもらう手段として、今後は実店舗でなく他の商業施設と協力する方式に転換すると表明した。また、これまでに蓄積したデジタル資産も活用すると説明した。品揃えとしては、母子のペア衣服など母子市場に重点を置くとされる。

しかし記事は、ラインフレンズ実店舗の中国大陸市場からの撤退について「韓流」の衰退を示すシグナルの一つではないか、との疑問を示した。化粧品ブランドのイニスフリーの中国市場における実店舗は最盛期には800店舗以上があったが、現在は140店舗前後だ。同じく韓国コスメブランドのエチュードハウスは、21年3月までに中国市場の実店舗を全て閉店した。

北京外国語大学で韓国語の講師を務める任翔氏は、キャラクターグッズについては、売る側が消費者の志向の変化をとらえることが難しいと指摘した。例えば、ラインフレンズは“萌え”のイメージを打ち出したが、同じデザインに対して消費者が「愚かさ」や「喪失感」をイメージするようになる場合がある。韓国企業がその時々の流行を正確に把握できなければ、消費者の選択のトレンドが、中国企業提供の商品に移行する可能性があるという。

また、キャラクターグッズについては「ファン層の破壊」も必要との指摘もある。既存のファンを固めるのではなく、まったく新しい斬新なデザインを打ち出して、新たなファンを獲得しようとする大胆さが必要という。(翻訳・編集/如月隼人

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携