ロケット1台で22衛星打ち上げ!ロケットの「相乗り」新モデルが始動―中国メディア

人民網日本語版    2022年3月2日(水) 7時50分

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衛星22基を従えて宇宙に旅立った「シェアロケット」の「長征8号遙2」は、ロケット1台で運んだ衛星の数で過去最高を更新し、中国のシェアロケットの新たな「相乗りモデル」をスタートさせた。資料写真。

2月27日、衛星22基を従えて文昌衛星発射場から宇宙に旅立った「シェアロケット」の「長征8号遙2」は、ロケット1台で運んだ衛星の数で過去最高を更新し、中国のシェアロケットの新たな「相乗りモデル」をスタートさせた。新華社が伝えた。

■ロケットはどのようにして複数衛星同時打ち上げを実現するか?

20年12月に初飛行に成功したキャリアロケット「長征8号」は、中国の新世代主力中型キャリアロケットで、中国はそれまでなかった太陽同期軌道(SSO)への3-4.5トンの積載能力を獲得することになり、中低軌道の打ち上げ任務の80%以上を引き受けることが可能になった。

今回の「長征8号遙2」の打ち上げは、「長征8号遙1」をベースに、ブースターなしの配置で行われ、将来の市場ニーズをにらんでロケットの設計が行われた。

1台のロケットで22基の衛星打ち上げをどうやって実現するのか。中国航天科技集団有限公司第一研究院長征8号キャリアロアケット総指揮を務める肖耘さんは、「設計を始めた頃、キャリアロケット『長征8号遙2』の開発チームは小型衛星に注目して、『シェア打ち上げ』の新モデルを提起し、最終的に7社(機関)の22基の衛星の打ち上げを決定した」と振り返った。

肖さんは、「多くの小型衛星の『相乗り』任務を遂行することは、ロケットの能力を十分に発揮させることであり、また市場ニーズに効果的に応えることもできる」と述べた。

■衛星はどうやって「相乗り」するのか?

1台のロケットで22基の衛星を打ち上げる。「相乗り」した衛星たちはどうやってフェアリングに収まったのだろうか。中国航天科技集団公司第一研究院長征8号キャリアロケット副主任デザイナーの陳暁飛さんの説明によると、複数衛星同時打ち上げが安全かつ正確に行われるようにするため、設計チームは3段式の衛星分離機構を開発し、これまでの「大部屋」を「3つの小部屋」に調整変更したという。

陳さんは、「衛星ごとに形状が異なる上、衛星はサイズの大きなものが多い。私たちは設計にあたって『乗客』に3層の『座席』を用意し、衛星22基をフェアリングにきちんと納め、快適な『座席』も提供した」と述べた。

中国航天科技集団公司第一研究院長征8号キャリアロケット副主任デザイナーの于龍さんは、「一般的に言って、新しい構造が設計図から製造に至るには、少なくとも1年あまりの時間がかかる。私たちは『モジュール化』設計により、半年足らずで複数の衛星の分離機構を製造できた」と述べた。

■「複数衛星同時打ち上げ」モデルの今後の見通しは?

人類が将来、宇宙に出かけたり宇宙空間でインフラ建設をしたりするニーズがますます大きくなることが予想される。そこで打ち上げ場のフローを改善し、ロケット開発のサイクル短縮とコスト削減をはかることが、多くの宇宙航空大国にとって差し迫ったニーズとなっている。

中国航天科技集団公司第一研究院長征8号キャリアロケットプロジェクト事務所主管の胡輝彪さんは、「今回のロケットの打ち上げ成功は、新モデルの協調性・マッチング性を証明した上、開発のコスト削減とサイクル短縮を果たし、さらにはキャリアロケット『長征8号』が経験を積み、このモデルが成熟に向かうよう推進し、後続の宇宙船打ち上げという主戦場に踏み出すための基礎を打ち立て、『長征8号』の商用宇宙分野でのイニシアチブと主導権をより強固なものにした」と総括した。

肖さんは、「『シェアロケット』として、『長征8号遙2』が採用した『相乗り』プランは、ユーザーのためにより経済的な打ち上げサービスを提供し、この分野への参入のハードルを大幅に引き下げた。今回の成功により、『長征8号遙2』はこれからシェア打ち上げの常態化を実現できる見込みだ。現在、海南省の組立テスト施設の施工がスタートしており、発射施設の論証作業も進められている。時期が来れば、『長征8号』を7日に1回打ち上げ、1年で50回の打ち上げが達成できるようになるだろう」と見通しを語った。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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