鎖でつながれた「8人の子の母」、一体何があったのか―中国

Record China    2022年2月24日(木) 22時20分

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24日、中国青年網は、江蘇省で見つかった首を鎖でつながれた女性を巡る事件の全容を紹介する記事を掲載した。

2022年2月24日、中国青年網は、江蘇省で見つかった首を鎖でつながれた女性を巡る事件の全容を紹介する記事を掲載した。

事件が発覚した発端は、1月27日にSNS上で拡散した「江蘇省徐州市豊県董集村で8人の子どもを産んだ女性が首を鎖で繋がれている」という内容の動画だった。女性への虐待として社会の注目が高まる中、中国共産党中央と中央政府が事実の徹底解明を要求した。

発覚当初は女性について謎が多く、精神疾患も持っていたために捜査は難航した。名前や素性についてさまざまな憶測が流れる中で、現地公安機関はようやく女性の本名と、雲南省出身で1977年5月生まれということを突き止めた。結婚登記証の写真と現在の写真などを手がかりに地道な聞き込みを続けた結果、河南省に住む異父妹を見つけ出し、母親の遺物である衣服からDNAサンプルを採取して鑑定したところ、生物学的に親子の関係であることが判明したという。

女性は一度雲南省内で結婚したものの離婚して97年に実家に戻っていた。その後空白期間があった後、江蘇省に移り、今月22日に虐待容疑で逮捕された夫と結婚して99年に長男を産んだ。さらに2011年から20年の間に夫の間に7人の子を設けており、DNA鑑定の結果長男を含む8人とも確かに女性と親子の関係であることが証明されている。夫によれば長男は産婆が立ち会い、第2子と第3子は現地の衛生院で出産、第4子以降は自宅で自力出産して夫が臍帯(へその緒)を切ったとのことだ。

現在入院中の女性に付き添っている長男は「物心ついたころから母は病気を持っていた。昔は症状が軽くて自分の学校の送り迎えもしてくれたが、ここ2年で病状が悪化した」と語っている。村の近隣住民の話では、昨年10月に女性が布団を羽織って行ったり来たりする様子が見られたという。夫は、17年以降女性が発作を起こした際にロープで縛り、鎖で首をつないで身動きを取れなくし、病院へも連れて行かないといった虐待をするようになったと供述している。

捜査の進展により、空白期間の女性の状況が明らかになった。97年に実家に戻った女性はその後、桑(サン)という女によって江蘇省に連れて来られ、徐(シュー)という人物に売り飛ばされた。そしてこの人物の家で一定期間過ごした後、行方不明になった。その後江蘇省内の食堂にいたところを別の人物らに収容され1か月過ごし、98年6月に夫の父親に買われ、00年に夫と結婚していた。桑らは22日、人身売買の容疑で当局に身柄を拘束された。

人身売買された女性が結婚し、しかも一人っ子政策の真っただ中に複数の子どもを産んだにもかかわらず、20年以上も問題が発覚しなかった背景には、現地役人の職務怠慢があった。まず、00年に結婚した際、董集村の担当者は女性が身分不明であると知っての上でルールに反して結婚状況証明を出していた。また、現地当局は女性が11年に第2子を出産した際に育児を理由に避妊手術を拒否する夫の主張を認め、第3子出産以降は上級機関による検査を恐れたため未実施であるにもかかわらず「避妊手術済み」として扱っていた。さらに、17年には豊県が現地当局に対し精神疾患患者への戸別訪問調査実施を要求したにもかかわらず、当局の責任者らが実施を徹底しなかったために女性への虐待を見逃すことになった。

事態を重く見た江蘇省共産党委員会と同省政府は23日,市の関係者、県や村の幹部ら17名に対して免職や厳重警告などの処分を下した。(翻訳・編集/川尻

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