2022年2月15日、中国メディアの上観は「同じく夢に向かって挑戦しているのに、どうして中国人は羽生結弦に熱狂して、自国選手に注目しないのか」とする文章を掲載した。

文章は、フィギュアスケート男子シングルの戦いを終えた羽生結弦が14日に記者会見を開き、日本のみならず中国でも多くの人が注目したことを紹介した上で「畢竟羽生は外国人選手。中国人の彼に対する熱狂ぶりを、彼と同じく尊敬する価値のある中国人選手に分けてもいいのではないか」と疑問を提起した。

そして、羽生と同様に夢を追いかけ奮闘し、「尊敬を受ける価値がある」選手として、4月に37歳になる男子アイスホッケー中国代表キャプテン、葉勁光（イエ・ジングアン、ブランドン・イップ）に言及。中国系4世のカナダ人として生まれ、04年には北米アイスホッケーリーグNHLのコロラド・アバランチに入団、5シーズンで174試合に出場して56得点を挙げたプロアイスホッケー史上最も活躍した中国系男子選手だと説明した。

また、この5年間はコンチネンタルホッケーリーグ（KHL）で100ゴールを決める得点を挙げ、「生涯の夢」と語っていた中国籍への帰化、中国代表入りを実現し、米国やカナダなどの強豪国に比べて実力も人気も劣る中国アイスホッケー界の振興と底上げのために奮闘していることを紹介した。

その上で「羽生はフィギュアの金字塔の頂点にいて、葉は中国アイスホッケー競技の礎となっている。立ち位置は異なるが、中国男子アイスホッケーの試合を見れば、葉が羽生と同じくわが身がボロボロになることをいとわず競技を愛し、まい進するという精神を持っていることが分かる。彼らはいずれも戦士であり、同じように注目され、歓声を浴びるに値するのだ」と論じている。（翻訳・編集/川尻）