中国人記者から羽生結弦に贈るメッセージ

Record China    2022年2月11日(金) 18時40分

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10日、中国版ツイッターに北京五輪での戦いを終えた羽生結弦に対する感想をつづった中国人記者の手記が掲載された。

2022年2月10日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)に、北京五輪での戦いを終えた羽生結弦に対する感想をつづった中国人記者の手記が掲載された。以下はその概要。

天井を見つめる羽生結弦は完全に自分の世界に入っているようだった。時折かわいらしくやんちゃそうな表情を見せ、会場を後にする際にはスタッフに対して90度のお辞儀を忘れなかった。その優しさ、優雅さ、礼儀正しいジェントルマンぶりは、まさに骨身に刻まれたものだ。

インタビューした際、彼の目には涙があった。同僚の男性記者が「彼が不憫で自分も耐えられない」と言いながら出てきた。ミックスゾーンに入る前、羽生はまず友人とハグしてからやってきた。そしてこちらに背を向けてしゃがみ、しばらくしてから立ち上がった。頭を低く下げ、顔は見えなかったがとてつもない疲労を感じ、傷心していることは感じ取れた。

彼は自分の気持ちを整理し、カメラの前で笑ってみせた。一昨日もそうだったし、今日もそうだった。しかし今日は些か感情を抑えきれなかったようだ。

本番前の最後の数分まで、彼はクアッドアクセルを試し続けた。転んでは起き上がりまた挑んだ。彼の転ぶ姿からは、とどまることのない毅然とした様子が見てとれた。

ここ数日、カメラマンが羽生の写真を一枚一枚見せてくれるたびに、私たちは「あまりにも美しい。まるでマンガから飛び出してきたみだいだ」と感嘆した。私を含め、それまで羽生のことをそこまでよく知らなかった人さえため息をついた。

この数日間、彼は美しさ、強さ、優しさ、勇敢さであらゆる人をとりこにしてきた。これこそ羽生結弦という四文字が持つ魔力なのかもしれない。

フィギュアスケートというのは、難度の高いテクニックがとても重要であるものの、それ以上に見る者を感動させる力が大事であって、それがなければ美しさや芸術性を表すことはできない、という話を今日同僚とした。この「感染力」というのは、選手自身が持つエンパシーによる部分が大きいと思うのだが、羽生の善良さ、優しさ、細やかさが強力なエンパシーを帯び、それでいて宇宙に抗うような勇敢さや芯の強さという別の側面がさらに彼の動きや技術をより確実なものとし、そうして羽生という氷上の美少年が作り上げられているのだと感じる。

羽生結弦を好きにならない人などいない。遅かれ早かれ、結局みんな好きになる。

フィギュアスケートの知識を学ぶにあたり羽生の映像をたくさん見たが、その中で最も印象深かったのは彼が「実は自分はとても孤独だ。周囲の環境が自分の精神状態や体の状態に大きな影響を与えるので、外の世界から切り離さないと理想の演技はできない。だから、自分は孤独でありたい」と語っていたことだ。

自分や人類の限界に挑戦し、孤独にチャレンジする彼のことを本当に理解できる人は、実際はいないだろう。

最後に羽生にメッセージを贈りたい。

「羽生結弦にしか踏み入れることができない境地に敬意を示す。気骨と優しさを併せ持つ男は、ゆっくりとそして勇敢に自らの遠く険しい道程を歩んでゆく」(翻訳・編集/川尻

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