北京冬季五輪が開幕、中国取り巻く状況「14年前の夏季大会とは様変わり」―海外メディア

Record China    2022年2月6日(日) 13時0分

拡大

4日に開幕した北京冬季五輪について、海外メディアは開会式会場の国家体育場など一部の施設は2008年夏季大会の再利用だが、中国を取り巻く状況は「様変わり」と伝えた。

北京冬季五輪が4日、開幕した。北京は史上初の夏冬両大会開催都市となった。開会式会場の国家体育場(通称「鳥の巣」)など一部の施設は2008年夏季大会の再利用で、開会式総監督も08年大会と同じ著名な映画監督の張芸謀氏だが、ロイター通信は中国を取り巻く状況は「それら以外はほとんど様変わり」と伝えた。

今回の22年冬季五輪の開催地選びはノルウェーのオスロなど複数の有力候補が辞退し、カザフスタンのアルマトイと北京の一騎打ちになったが、15年に北京がアルマトイを破った。ウインタースポーツの歴史が浅く、雪も少ないにもかかわらず、国際オリンピック委員会(IOC)は安全な選択肢として北京を選んだ。中国は大規模な人口造雪による環境への影響が懸念されるものの、効率的に準備を進め、IOCの信頼に応えた。

ロイター通信は08年夏季大会について「日の出の勢いの中国が世界の表舞台に登場し、見る者を圧倒した」と回顧。これに対し、今回は「今や中国は以前よりも裕福かつ強力になり、習近平国家主席の下で権威主義の様相を強め、欧米諸国と対立を深めている」と述べた。

コロナ禍も大きく変化した要因の一つ。中国は「ゼロコロナ」戦略という独自路線を採り、ほぼすべての国際便の運航を停止した。このため、選手や関係者は外部と接触させない「バブル」の中にチャーター便で直接入る必要がある。ロイター通信は「今大会は昨夏の東京大会よりもはるかに厳しい『閉じた輪』の中で実施され、新型コロナウイルスの新変異株オミクロン株への対応が試される」とした。

08年夏季大会と同様に、五輪によって中国の人権問題が再び注目を浴びた。記事は「中国の人権弾圧は08年大会以降悪化」と言及。米国政府は中国がイスラム系少数民族ウイグル族にジェノサイド(集団虐殺)を行っていると批判し、米英両国などが「外交ボイコット」に踏み切った。中国は疑惑を否定し、大会の政治化だと繰り返し反発している。

英オックスフォード大学のラナ・ミッター教授(中国史・政治学)は「08年夏季五輪は世界的な影響力の獲得を目指す中国にとってソフトパワーの強力な源泉だった。この1年で西側世界における中国の評価は大幅に悪化した」と指摘した。

北京市内は08年大会ではカーニバルのようなにぎわいを見せたが、冬季五輪は新型コロナ感染拡大阻止のための制限措置に諦めムードが漂っている。チケットが一般発売されないことに対する失望もある。

それでも大会ボランティアのイェ・ウェンシャオユーさん(20)はロイター通信の取材に「08年大会はすごく壮大で、世界に向けて華やかなショーを見せてくれた。今年の北京大会はとてもシンプルで、低炭素なものになる。でも当然ながら、そんなことと関係なく素晴らしい大会になるだろう」と期待感を示した。(編集/日向)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携