リトアニアのビールメーカー、中国からの注文キャンセルで台湾市場開拓に注力

Record China    2022年1月30日(日) 20時30分

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台湾への接近を背景に中国から圧力を受けているバルト3国のリトアニアのビールメーカーが台湾市場の開拓に力を入れている。中国からの注文はすべてキャンセルされた。写真はリトアニアのビール。

台湾への接近を背景に中国から外交的、経済的圧力を受けているバルト3国のリトアニアのビールメーカーが台湾市場の開拓に力を入れている。中国からの注文はすべてキャンセルされたが、台湾メディアは「台湾の消費者が同社のビールをこぞって買い、高い評価を寄せた」と報じた。

リトアニアは昨年5月、中国と中東欧17カ国間の首脳会議「17+1」を離脱。これを機に中国との関係が緊迫し始めた。その後、台湾への代表機関設置を発表。台湾も7月20日、リトアニアへの代表機関設置を発表し、中国の反発を招いた。

中国は8月、駐リトアニア大使の召還を決め、11月に台湾の代表機関「駐リトアニア台湾代表処」がリトアニアの首都ビリニュスに設置されると、リトアニアとの外交関係を「代理大使級」に格下げした。リトアニア製の商品が中国の通関で足止めされるなど、経済的圧力も強まっている。

台湾・中央通信社によると、リトアニアのビールメーカー「ヴォルファスエンゲルマン」には昨年の夏の終りごろ、中国のパートナーから「リトアニアはいったいどうしたんだ」との問い合わせが突然寄せられた。その時、中国のネットやメディアでの同社製品に対するコメントは批判的なものだらけで、リトアニア製商品はボイコットされていた。小売業者は入荷をためらい、同社は10月になって、「年内の注文をすべてキャンセルする」との通知を中国側から受けた。

同社は約7年前に中国に進出。2020年の販売高は70万リットル、昨年は120万リットルに達した。今年の目標は当初、200万リットルに設定していたが、今となっては中国市場の先行きは見通せない状況になっている。

ヴォルファスエンゲルマンは20年に台湾にも進出。1年目の販売高は約8000リットルだったが、21年には約23倍の18万リットルにまで大きく伸びた。昨年12月に台北で開かれた総合食品見本市「FOOD TAIPEI 2021」でも多くの業者から関心が寄せられ、好評を得た。インターネット上の口コミでも台湾の消費者からの評価は非常に高いという。

同社の責任者は中央通信社の取材に対し、「愛は相互的でなければならない」と話し、台湾からの愛がより多いのであれば「そこになぜ注力しないのか」として、台湾市場に力を入れる姿勢を示した。

ヴォルファスエンゲルマンのCEO(最高経営責任者)も台湾の消費者がSNS(交流サイト)や各レビューサイトで同社のビールに対する感想をこぞって投稿してくれれば「大きな励みになります」と強調。「そうなれば、台湾市場に対し『何か特別なこと』をしようと社内でより活発に考える契機にもなる」と語った。(編集/日向)

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