対中関係の悪化にコロナ、豪経済に1兆円の損失―中国メディア

Record China    2022年1月29日(土) 5時30分

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25日、中国メディアの環球網は、豪中関係の悪化に加え、航空路線の便数が激減し、オーストラリア経済に124億豪ドル(約1兆69億円)の損失が出ていると伝えた。写真はシドニー国際空港。

2022年1月25日、中国メディアの環球網は、豪中関係の悪化に加え、新型コロナ流行によるオーストラリア政府の入国禁止措置で、豪中間の航空路線の便数が激減したことにより、オーストラリア経済に124億豪ドル(約1兆69億円)の損失が出ていると伝えた。

記事は初めに「中国による豪州の『重要インフラ』への投資や内政干渉、南シナ海や南太平洋への進出によって、豪中関係は16年ごろから悪化の兆候が見えていたが、新型コロナウイルス感染症の流行はそれに拍車をかけた」として、「新型コロナウイルスが流行する以前、中国の航空会社のうち9社がオーストラリア便を運航し、シドニーやメルボルンと、上海や北京などの10都市を結んでいたが、今では運航しているのは2社だけで、各都市との往復チケットは以前の3倍に値上がりしている」と現状を紹介し、「豪中関係に『別の種類のウイルス』が影響を及ぼした結果だ」と論じた。

17年の初め、中国では7社の航空会社がオーストラリア便を運航しており、中流層の海外旅行ブームや教育市場の拡大ムードに乗り、豪中間の貿易や観光業が一時の活況を呈したことから、さらに2社がオーストラリア便を就航し、観光客向けに杭州や昆明などの都市との直通便を提供していたという。18年4月から19年3月までの1年間で、140万人以上の中国人がオーストラリアを訪れ、124億豪ドル(約1兆69億円)の経済効果があったと見られているが、20年2月に新型コロナのまん延防止目的でオーストラリア政府が中国からの入国禁止措置を開始したため、オーストラリア便を利用する中国人客は激減し、21年6月までの時点で、豪州便の利用者は3400人にまで落ち込んだという。

記事は「豪州便は中国人客の空席を埋めることができず、その多くが飛行機雲のようにオーストラリアの空から消えていった」「消失した124億豪ドル(約1兆69億円)を取り戻す可能性は極めて低い」と指摘した。

さらに、17年に韓国が米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の配備を認めた際に、中国政府が団体旅行の禁止や韓国便の運航停止などの対抗措置を実施したことに言及し、「新型コロナウイルスの脅威がおさまったとしても、観光業を武器とする中国の航空会社が、オーストラリア便を急いで就航しなおすことはないだろう」と指摘した。

最後に「豪中関係が冷え切った時期は、新型コロナの流行開始とほぼ同じ」として、「両国間に敵意がむき出しになっている限り、中国の航空会社が以前のように中国人学生や観光客を乗せて、豪州の空を飛ぶことはないだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之

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