韓国人権委「警察は水曜デモの保護策に重点置くべき」、日本大使館前で保守系団体が妨害

Record Korea    2022年1月23日(日) 18時0分

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慰安婦問題を日本大使館前で訴えてきた「水曜デモ」について、韓国国家人権委は「警察は水曜デモの保護策に重点を置くべき」との判断を示した。水曜デモは保守系団体の妨害に遭っていた。写真は水曜デモの資料写真。

旧日本軍による従軍慰安婦問題の解決をソウルの在韓日本大使館前で訴えてきた「水曜デモ」について、韓国の国家人権委員会(人権委)は「警察は水曜デモの保護策に重点を置くべき」との判断を示した。水曜デモは今月5日に30周年を迎えたが、保守系団体の妨害で道路の反対側に追い出されていた。

水曜デモは1992年1月8日、宮沢喜一首相(当時)の韓国訪問を控え、人権活動家らがソウル中心部の日本大使館の前で慰安婦問題の真相究明と日本政府の謝罪を要求する集会を開いたことから始まった。

ハンギョレ新聞によると、2020年6月、元慰安婦を支援する正義記憶連帯(正義連)の理事長を務めたユン・ミヒャン議員(無所属)による後援金流用疑惑の波紋が広がった状況に乗じ、保守系の自由連帯などが大使館前の慰安婦を象徴する少女像の前での集会届を先に行う形で、水曜デモへの妨害を始めた。保守系団体のメンバーが集会申告を受け付ける鍾路警察署の待機場所で交代しながら徹夜で並ぶため、正義連はいつも集会場所を奪われていた。

30周年の水曜デモ申告日だった昨年12月5日を控え、正義連は2日前から待機場所で徹夜で並んだが、すでに保守系団体の会員らが宿泊しながら待機場所で待ち構えていた。これに対し、正義連などの慰安婦支援団体は5日、人権委に緊急救済措置を取るよう要請していた。

要請を受け、人権委は17日、「水曜デモは日本帝国主義による反人道的犯罪に対して、韓国の市民社会がその責任を問う世界史的にも前例のない運動であり、正義と真実を追求し、不正義に対して責任を取ることを求める世界最長期の集会に対する保護策に重点を置くべきだと判断した」と発表。警察に対し、水曜デモに反対する団体に集会の時間と場所を変えることを積極的に勧めるよう勧告した。

さらに二つの集会が同時に同じ場所や隣接する場所で行われた場合にも、反対集会側がスピーカーの過度な騒音などで水曜デモを妨害する行為や水曜デモ参加者に対し、名誉毀損(きそん)や侮辱行為を行わないよう現場で中止勧告または警告を行い、被害者側が処罰を求めた場合は積極的に制止し、捜査するよう警察に勧告した。

その理由として人権委は「水曜デモは、いつでもどんな場所でも開ける集会ではない」と指摘。「反対集会の妨害行為が続けば、水曜デモに参加するこの事件の被害者たちの集会の自由と人格権は回復が困難な被害を受けることは明確で、同じ場所と同じ時間に集会を続けられなければ、この集会の目的や歴史性すらも失われることになる」と説明した。(編集/日向)

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