東証再編は改革へのスタート=企業は「プライム」に安住せず成長努力を―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2022年1月16日(日) 7時0分

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トップカテゴリーは日本を代表する優良企業の市場と位置づけるプライム。企業統治や時価総額などの面で高い基準を設けた。現在の1部上場の8割強に相当する1841社がプライムに移行することになった。

東京証券取引所が現在の1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4市場を4月からプライム、スタンダード、グロースの3つに再編するという。日本の株式市場の国際的な地位を高める一歩。東証も企業も投資資金を呼び込むための努力をさらに続けることを期待する。

トップのカテゴリーは日本を代表する優良企業の市場と位置づけるプライム。企業統治(コーポレートガバナンス)や時価総額などの面で高い基準を設けた。東証の発表によると、 企業が移行先の市場を選んだ結果、現在の1部上場の8割強に相当する1841社がプライムに移行することになった。

持ち合い株式などをのぞいた流通株式の比率や流通株時価総額、売買代金などの面で基準に満たない企業も、経営改善策を提出することにより経過措置としてプライムへの移行が認められた結果だ。

経過措置の終了期限は未定であり、「看板の掛け替え」との批判も出ているという。中途半端な改革にとどまっているため、投資家の視線は冷め市場の活性化を期待する雰囲気は乏しいようだ。東証はできるだけ迅速に経過措置を終了し、改革姿勢を示すべきであろう。

新興のセットアップ企業にとって株式公開(IP)上場は最重要目標だ。東証1部上場はその究極の姿である。

プライム市場という器は優良企業の認定ではない。企業は新市場への移行後も経営を磨く必要があろう。企業価値によって投資家が企業を選別し、産業の新陳代謝が促される。その結果として経済が活性化し、取引所の国際的な地位も高まるというのが、成熟した資本主義国の市場のあるべき姿である。

私も立石電機(現オムロン)の上場・昇格を体験してきた。株式公開や東証一部が最終ゴールではない。企業は日々成長する生き物である。「プライム」に安住するようでは、企業の将来を危うくする。

今回の東証再編はゴールではなく、始まりと言える。日本市場を活性化させる主役が企業であることは、言うまでもない。

<直言篇189>

■筆者プロフィール:立石信雄 1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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