中国のレアアース輸出量が激増、世論は「正常な競争か?」―中国メディア

Record China    2021年12月29日(水) 14時10分

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28日、観察者網は中国のレアアース製品の11月の輸出量が約86%も増えたことを伝えた。写真は鉱山。

2021年12月28日、中国メディアの観察者網は、中国税関総署が発表した2021年11月分の輸出量の統計で、レアアース(希土類)製品の輸出量が約86%増の約4859トンになったと伝えた。

記事は始めに、2021年11月分のレアアース輸出量が増えた要因について3点紹介した。一つ目は「21年第3四半期に新型コロナウイルスの感染状況が世界的に落ち着いたため」だという。

二つ目は「政策による刺激」で、中国工業情報部が従来型の工業電気モーターから省エネ型の電気モーターへの切り換えを奨励していることや、電気自動車やハイブリッドカーなどの新エネルギー車の需要の高まりと、風力発電やインバータエアコンの普及などに触れ、「約4859トンのレアアースで、新エネルギー車が約60万7000台製造可能」「ネオジム磁石のような希土類永久磁石の需要が輸出をけん引した」と指摘した。

三つ目は「ミャンマー情勢の影響」。記事によると「世界最大のレアアース産出国である中国だが、鉱石の採掘は環境保全に負担をかける上に、鉱脈が浅い所にある江西省や内モンゴル自治区では違法な採掘が後を絶たない」ことから、採掘量を抑制する目的もあって中国はミャンマーから中重希土類の鉱石や精鉱を輸入していたが、軍のクーデターによる情勢不安や、新型コロナウイルス感染拡大防止のためにミャンマーの税関が7月以降封鎖されたことで、中重レアアースの鉱石の供給がストップしたという。このため、9月30日には中国工業情報部、自然資源部が2021年の採掘枠を前年比20%増の16万8000トンを上限とすると発表したほか、12月23日に国有のレアアース専業会社「中国希土集団」を設立するなど、レアアース事業の強化を進めているという。

また、記事は「11月にレアアースの輸出量が激増したことを懸念する声もある」と紹介し、中国工業・情報化部の肖亜慶(シャオ・ヤーチン)部長が3月1日に国務院新聞弁公室で行った記者会見で、「レアアースは希少でありながら高価格で売られることはなく、逆に『土』のような低価格で売られている。これは悪性競争や低価格競争の結果であり、この貴重な資源の浪費を招いた」と説明したことに触れ、「1990年ごろから違法な採掘による過剰生産で価格が不当に安く抑えられた上に、環境汚染の深刻化まで招いた時期が長く続いたためで、無秩序の悪性競争が始まるのを世論は懸念している」と指摘し、「レアアース関連業界には産業構造や技術水準の低さ、違法採掘などのずさんな生産管理体制など多くの改善すべき点が残っている」「関連企業間で良性の競争が図れるよう、合併も辞さない産業構造の改善が必要だ」と論じた。(翻訳・編集/原邦之

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