石炭不足・価格高騰の影響、炭鉱の違法採掘増えて事故続出―中国、仏メディア

Record China    2021年12月19日(日) 12時30分

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中国では2021年になってから違法に操業する炭鉱が増え、事故も多発している。背景に石炭価格の高騰があるとされる。写真は山西省内の炭鉱で15日に発生した出水事故の救助作業。

山西省孝義市内で違法操業をしていた炭鉱で15日、出水事故が発生した。同事故では作業員22人が坑内に閉じ込められた。約45時間に及んだ救出作業で20人は助かったが、2人が死亡した。中国は違法に操業する炭鉱が増え、事故も多発している。背景に石炭価格の高騰があるとの見方がある。

中国メディアの澎湃新聞は15日の事故を受け、違法採掘が横行する状況を「死灰復燃(消えたはずの灰が再び燃えた)」と表現した。また孝義市内で事故を起こした炭鉱について、「道路の近くに坑口があるが、道路との間にフェンスがあって坑口は見えない」、「石炭の取り出し口は土と雑草で偽装されていた。石炭を取り出すための油圧棒を地中に入れれば、入口のふたは完全に覆い隠された」状態であり、「驚くべき隠匿(いんとく)」と紹介した。

フランスメディアのRFIは中国の現状について「世界一の石炭消費国である中国が、深刻なエネルギー危機に直面している」と紹介。中国政府の対応措置について、国内における石炭の増産や製造業企業に対する電力供給の削減強化、さらに発電所やその他の石炭を使用する企業に石炭の輸入量を増やさせたと紹介した。

また、石炭の大産地である山西省と内モンゴル自治区の政府は炭鉱200カ所以上に増産を要請したが、山西省では大雨の影響で炭鉱約60カ所以上が洪水被害を受けた。山西省政府関係者は、年産量が計480万トンの炭鉱4カ所が操業停止に追い込まれたと述べたという。

中国では天然ガスの導入に力が入れられた2010年ごろから、石炭事業は「斜陽産業」と見なされるようになった。民間の石炭企業の経営者の多くは「歴史の舞台から退場」することになった。しかし21年になってから「復帰」する者が増え、短期間で莫大な利益を得たという。

中国安全生産科学院の元院長である劉鉄民氏は、中国はかつて、安全面に問題がある小規模炭鉱で石炭採掘を盛んに行っていたと説明。このような炭坑が現在でも大量に存在し、石炭価格が高騰したことで、利益を得ようと長年に渡り閉鎖されていた炭鉱で違法な操業が行われるようになったようだと説明した。

劉氏によると、過去についての研究で、違法操業の炭鉱に限らず、石炭価格が高騰して増産を行った時期には、炭鉱で重大事故と死者が発生する確率が明らかに増加したという。劉氏は、国有企業が保有する大規模炭鉱を含めて、安全基準を満たさない場合には絶対に操業させないことが、安全維持のために重要と主張した。

炭鉱の安全問題や事故情報を紹介するサイトの煤鉱安全網が21年6月18日付で掲載したページによると、中国では同年1月1日から6月17日までに、死傷者を伴う炭鉱関連事故が40件、発生している。同ページが取り上げた事故について死亡と明記された、あるいは「坑内に閉じ込められた」の説明だけで救出の記載がない人の合計は130人を超える。

孝義市トップの中国共産党同市委員会書記と、行政トップの市長はいずれも、事故発生後に免職処分となった。今後は関係者が、利益を受け取ることの見返りに違法操業を黙認していなかったかなど、癒着についての調査が行われることになる。(翻訳・編集/如月隼人

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