中国のエネルギー供給、2050年ごろゼロエミッションに近づくことが必要―中国メディア

人民網日本語版    2021年12月18日(土) 7時0分

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中国社会科学院エコ文明研究所の研究員である陳迎氏は「2℃の目標を達成するために中国はカーボンニュートラルを2065-2100年に実現する必要がある」と述べた。資料写真。

中国気象局と中国社会科学院などが16日に開催した2021年気候変動グリーンブック「2021年気候変動対応報告書:CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラル特別編」発表会において、同グリーンブックの副編集長を務める中国社会科学院エコ文明研究所の研究員である陳迎(チェン・イン)氏は、「最新の評価モデルとシーン研究によると、2℃の目標を達成するために中国はカーボンニュートラルを2065-2100年に実現する必要がある。1.5℃の目標を達成するためには2050-2075年に実現する必要がある」と述べた。科技日報が伝えた。

陳氏は、「世界の平均気温の上昇を1.5℃または2℃で安定させるためには、二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減しなければならない。CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を達成する上で重点となるのは排出削減で、難点となるのはエネルギーモデル転換だ。テクノロジーイノベーションにより工業、建築、交通など各分野のグリーンで低炭素な発展をけん引し、企業の中心的存在としての役割を発揮するとともに、モデル転換の過程におけるリスクに警戒し、これを解消する必要がある」と述べた。

同グリーンブックによると、さまざまな技術の組み合わせが存在するが、中国のCO2排出量ピークアウトからカーボンニュートラルまでは30年ほどの時間しかないため、技術と経済における実行可能な余地はそれほど残されていない。中国のカーボンシンクおよび主なマイナスエミッション技術(例えばバイオマスエネルギー)は中国の土地の規模と食糧安全問題の制限を受ける。現在の大半の研究・評価によると、可能な相殺規模は15-24億トンほどになる。そのため源から、つまりエネルギー構造から根本的に調整する必要がある。そのうち電力システムは2045年前後にゼロエミッションに近づくことを実現し、エネルギー供給は2050年前後にゼロエミッションに近づくことを実現し、2060年にマイナスエミッションを実現する必要がある。非化石エネルギーのエネルギー消費に占める割合は、2035年に35%前後、2050年に68%前後、2060年に80%前後になる。

同グリーンブックは、「生態優先の質の高い発展を堅持する。従来産業のモデル転換と高度化を推進し、戦略的新興産業を積極的に育成し発展させ、グリーンで低炭素な新しい成長源の育成を加速させる▽より大きな力を入れてエネルギー生産・消費革命戦略を実施し、石炭と石炭火力発電の立ち遅れた生産能力の淘汰を加速させ、石炭消費の早急なピークアウトそして減少傾向に転じることを保証する▽CO2排出量ピークアウトとカーボンニュートラルを中心とする電力体制改革を加速させ、電力網への接続、消費、エネルギー貯蔵、ピーク調整などの問題を解決し、非化石エネルギーが占める割合を大幅に高め、2030年に非化石エネルギーの増加がエネルギーの新規需要をほぼ満たせるようにする」と提案している。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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