米国の中国のスパイ摘発措置「チャイナ・イニシアチブ」、自国内からも批判の声が続々―米学生新聞

Record China    2021年12月13日(月) 10時0分

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米イェール大学(写真)では教員100人近くが、米司法省が進める中国系米国人によるスパイ摘発を目的とするチャイナ・イニシアチブを批判した。米国営メディアのVOAも同イニシアチブに批判が多いことを認めた。

米イェール大学の学生新聞であるイェール・デーリー・ニュースは9日付で、同大学の教員100人近くが米国司法省が進めるチャイナ・イニシアチブを停止するよう求める公開書簡に署名したと伝えた。チャイナ・イニシアチブは、中国系米国人による経済スパイを摘発するとして始まった取り組みで、同イニシアチブに基づいて米連邦捜査局(FBI)などが捜査を進めている。

イェール・デーリー・ニュース記事は、チャイナ・イニシアチブは「身震いするような敵対的環境」をもたらしたと主張。過去3週間で100人近い同大学の教員が、司法省のスパイ対策を「侵犯的で差別的」などと非難する公開書簡に署名し、チャイナ・イニシアチブを停止するよう求めた。司法省の施策により、中国人の研究者と学生はビザや行政について障害に直面しており、大学における科学的協力が妨げられ、緊張が研究を混乱させているという。

スタンフォード大学でも9月、教員177人がチャイナ・イニシアチブの停止を求める公開書簡に署名した。また、マサチューセッツ工科大学の傘下企業が運営するメディアのNITテクノロジーレビューもチャイナ・イニシアチブを批判する記事を発表し続けている。12月2日付の記事では、「司法省はチャイナ・イニシアチブの訴訟の構成要素の定義を持ち合わせていない」「同イニシアチブは経済スパイに焦点を当てることを想定していたが、『研究の誠実さ』の問題で学者を非難することがますます増えている」などと、同イニシアチブを改めて批判した。

米国の国営メディアであるボイス・オブ・アメリカは12月9日付記事で、FBIは年内に、中国政府がさまざまな方法によって米国の産業情報を盗んでいることが、米国の国家安全および経済面の損失を生み出しているかを紹介するドキュメンタリー映像の「メード・イン・北京 世界市場の支配計画」を発表すると伝えた。FBIは2020年にも、同様の目的でドキュメンタリー映像を制作したという。

ただし同記事はチャイナ・イニシアチブについて、各方面から批判されたり疑問視されていると紹介。記事は、アリゾナ大学で教育政策を専門とするジェニー・リー教授による、同イニシアチブには「中国系およびアジア系に対する偏見と蔑視の要素がある」との主張も紹介した。(翻訳・編集/如月隼人

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