メタバースの行き着くところは不動産?―中国メディア

人民網日本語版    2021年12月9日(木) 7時50分

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仮想世界で土地や建物を買うといくらくらいになるか、考えたことがあるだろうか。写真はデセントラランドのサイトのスクリーンショット。

仮想世界で土地や建物を買うといくらくらいになるか、考えたことがあるだろうか。最近、相次いで更新される仮想世界の土地や建物の価格が、あなたの認識を変えるかもしれない。

メディアの報道によると、今週にNFT(非代替性トークン)ゲームプラットフォーム「サンドボックス」で仮想世界の土地が430万ドルで売り出され、「メタバース」不動産取引価格の記録を塗り替えた。1週間前に仮想現実(VR)のプラットフォームのデセントラランドで、仮想の土地に243万ドルの値が付いて記録を更新したばかりだった。

複数のメディアが伝えたところによると、シンガポールの歌手のリン・ジュンジエ(林俊傑)もデセントラランドで仮想の土地を3筆購入し、価格は総額約12万3000ドルと予想されている。

仮想世界の土地や建物に一体どれくらいの価値があるのだろうか。

架空世界のメタバースでは、プレイヤーは土地や建物などのバーチャル空間を利用して創造活動、社交活動、ゲームなどの行為を行える。そのため、この世界で一角を占めようと思うユーザーは、仮想の土地や建物を所有することが必要になる。もちろん、こうした仮想の土地・建物は現実の世界では利用できない。

デセントラランドの場合、ユーザーは仮想の土地で自分の思いのままに個性的な建物を作ることができる。こうした仮想の建物を自分で持っていてもいいし、誰かに販売してもいいし、アート展示、音楽フェス、ゲームコンテスト、発表会などさまざまなイベントを開催することもできる。

同プラットフォームがユーザーに仮想土地の稀少性を強調していることは明らかで、仮想土地をオークション形式でユーザーに提供し、ユーザーはNFTで取り引きを行う。

市場の規則に従えば、仮想の土地・建物の総量が一定であるとの前提の下では、ますます多くの人がこの仮想世界に参入すれば、それにともなって土地の価格も建物の価格も上昇する。

しかし仮想世界では、投機要因を回避することがより難しい。同時に、仮想の資産取り引きは多くの国においてまだ法的リスクを抱えている。

注意すべきなのは、最近のメタバースに関する議論がしばしば大衆の関心と議論を引き起こしているが、そもそもメタバースは何かという定義がいまだにあいまいなことだ。人々はメタバースに想像を膨らませるが、公式に認められた定義はまだない。

最近はこの業界に関わる多くの人に「メタバースをどう定義するか」という質問をしてきたが、得られた答えがそれぞれ異なるという状況だ。ある人は「メタバースは新しい瓶に古い酒を入れたものに過ぎない」と率直に言い、別の人は「ブロックチェーンはメタバースの必需品」との見方を示し、さらに別の人は「真の意味でのメタバースはまだ存在しない」としている。

取材の中で業界関係者が、「メタバースの概念の問題に関して、今の市場で注目度の高い議論の多くはラベリング、ステレオタイプ化の概念をめぐる議論で、技術をどのように実現し、実践するかについて理性的に探求するものではない」と述べた。

基本的な定義がはっきりしないという前提の下、これまでに登場した多くの報道や文章が、仮想土地、仮想建物を含むデジタル収集品の価格にはバブルが存在すると指摘してきた。またメディアの中には、NFTが「メタバース世界に通じる秘密の鍵」として、投機行為、マネー・ロンダリング、金融商品化などのリスクが存在し、NFTをめぐる投資について慎重な態度を取るべきだと伝えるところもある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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