牧畜民と野生動物が共生する三江源国立自然保護区―中国

人民網日本語版    2021年11月30日(火) 14時40分

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青海省にある三江源国家公園が国家公園に正式に指名されてから、たかだか1カ月ほどたっただけにもかかわらず、その名声はすでに幅広く知られている。

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青海省にある三江源国家公園(三江源国立自然保護区)が国家公園に正式に指名されてから、たかだか1カ月ほどたっただけにもかかわらず、その名声はすでに幅広く知られている。総敷地面積は19万700平方キロで、河北省よりも大きい。そしてその標高は平均4700メートル以上で、力強い生命力が光り輝く舞台となっている。

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ここでは、密林や草原、雪原、湿地、山、川、湖など、バラエティーに富んだ景色を楽しむことができるほか、ユキヒョウやオオカミ、カワウソ、チルー、チベットノロバ、クチジロジカといった野生動物がたくさん生息している。そのため、多くの写真愛好家にとってはまさにパラダイスのような場所であり、季節を問わず、カメラを手にやって来ては、数カ月から何年もかけて野生動物との「縁」や「出会い」を静かに待っている。

最近、ある写真愛好家が、オオカミを驚かせないようにしながら、その群れが映る圧巻のシーンの撮影に成功した。こうした写真愛好家にとって、家から出て角を曲がると野生動物と遭遇することも少なくない自然保護区の中に住む人たちはうらやましい存在だ。

野生動物と「共存」する住民の一人である阿扎さんは、首の模様を見るだけで、十数年の「付き合い」となるユキヒョウ2頭を見分けることができるという。阿扎さんにとってそのユキヒョウは「家族」のような存在で、飼っているヤクが襲われることもあるものの、恨み言を行ったことは一度もない。ここ十数年の間に、ヤク20頭以上が食べられたり、嚙み殺されたりしたという。

牧畜民は野生動物の弱い一面を目にすることもよくあり、「家族」が困難に直面していれば、すぐに救いの手を差し伸べている。牧畜民の卓列才仁さんは最近、山の崖に落ちたユキヒョウを救い出したという。才仁さん自身、決して豊かな暮らしをしているわけではないものの、毎日一番新鮮なウシやヒツジの肉をユキヒョウに与え、けがで動けないユキヒョウに肉を小さく切って、少しずつ与えているという。

牧畜民たちがこのように野生動物に接するのは、大自然に対する畏敬の念が「DNA」に刻まれているからで、生まれつき大自然を保護しなければならないという意識を持ち、それが代々受け継がれ、大自然と平和に共生するというのが、彼らの生涯の信念となっている。

それだけでなく、「家族」をより万全に守るために、生態環境管理保護員に自ら名乗り出る人も少なくない。そして家族の誰かが生態環境管理保護員に選ばれると、その家族全員が生態保護に参加するというのが新たな動きとなっている。同自然保護区には現在、生態環境管理保護員が1万7211人おり、1世帯当たり年間2万1600元(約38万9000円)の増収を実現している。生態環境管理保護員の生活が改善され、収入が増えるにつれ、人々の仕事に対する熱意も高まり続けている。

国の大々的なサポートと、多くの人の努力の結果、自然保護区の生態環境は目に見えて改善され続けており、そこに生息する野生動物も増えている。北京で6年間メディア関係の仕事をしていた旦増桑周さんは、都市の急速な発展を肌で感じた後、生態保護の意義をより一層感じるようになったという。数年間に故郷に戻った旦増桑周さんは、「中国人の生態に対する観念、国の生態に対する重視を映像を通して表現したい」と話す。そして、自然保護区に指定されたばかりの約1カ月前、彼が製作に参加したドキュメンタリーが各プラットホームで配信された。その映像を通して、神秘的な大自然の素晴らしさを感じると同時に、この世のぬくもりに感動することができるだろう。旦増桑周さんは今も撮影を続けている。

中国の第一陣の国家公園に指定された三江源国立自然保護区が正式に一般開放された時には、ぜひそこへ行って、中国で最も保存状態が良く、最も美しい大自然を満喫してみてはどうだろうか。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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