【中国キーワード】中国の「共同富裕」とは一体何なのか?

人民網日本語版    2021年12月1日(水) 6時50分

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「共同富裕」とは収入を均一にすることだろうか。14億人の人口を擁する中国が貧富の差の問題に挑戦することは、世界にとって何を意味するのか。

貧富の差は世界的な難題だ。それでは、「共同富裕」とは収入を均一にすることだろうか。14億人の人口を擁する中国が貧富の差の問題に挑戦することは、世界にとって何を意味するのか。中国が推進する共同富裕が「貧しい人にお金を与え、金持ちの人から税金を取る」ことでないのはどうしてだろうか。

■世界各国の貧富の差の状況は?

過去100年近い西側諸国の所得格差の変化を振り返ると、1980年代初頭が分水嶺になった。かつて80年代初期には、西側諸国の所得格差が史上最も縮小したレベルにあった。しかし過去40年あまり、西側諸国の貧富の差は拡大を続けている。中でも米国は先進国の中で貧富の開きが最も目立つ国となっている。関連の指標によると、現在の世界の貧富の差は1929年の世界大恐慌前の状態に戻っているという。

■中国はなぜ今、共同富裕を強調するのか?

清華大学中国経済思想・実践研究院の李稲葵(リー・ダオクイ)院長は、「世界の経験を見ると、1つのエコノミーが一定の水準まで発展すると、最低保障をめぐる問題を解決するための条件と基礎が備わる。そうなった時に、人々は社会と人との全面的な発展をより重視するようになり、教育や医療、介護、住宅など民生分野での公共サービスの均一化をより必要とするようになる。これは、経済発展にばかり注目するのではなく、より高次元の発展問題を解決し、人々の獲得感と満足感を高める必要があることを意味する」と述べた。

■共同富裕は「貧富の均一化」か?

従来の見方では、共同富裕とは豊かさのレベルが同じになること、所得格差が存在しないことだと考えられてきた。また、所得格差を解消するには所得の増加分を調整する必要があるだけでなく、資産のストックも調整する必要があると考えられてきた。この資産ストックの調整とは、「貧富の均一化」にほかならないとされてきた。現在、社会には「均一主義」の見方をする人が確かにいる。その考えは非常に根強く、短期間で根こそぎ取り去るのは難しい。そしてまさにそれゆえに、共同富裕を打ち出すことについて、人々は「貧富の均一化」であると考えがちだ。

これについて、中国共産党中央党校前副校長の王東京(ワン・ドンジン)氏は、「共同富裕は絶対に『貧富の均一化』ではない。それは党中央の精神に合致せず、市場経済の分配の原則にも背くことであり、最終的に共同富裕に至れないだけでなく、逆にともに貧しくなることになる」との見方を示した。

経済学者の李実(リー・シー)氏は、「貧富の差の問題を解決する時、一部の西側諸国は相対的に『単純で乱暴な』やり方を採用し、貧しい人にはお金を与え、金持ちの人からは税金を取る。しかしここ30数年ほどで、特に新型コロナウイルス感染症が発生してから、西側諸国は貧富の差がますます拡大して、過去最も拡大していた時のレベルに戻ったところもある」と指摘した。

李稲葵氏は、「中国の共同富裕の中核は人の全面的発展ということであり、健康、教育の機会、発展のチャンスなど人の各方面の要素を全面的に考慮する必要があり、単に収入が平等ということではない」との見方を示した。

■中国の共同富裕推進はどのように行うべきか?

中国の共同富裕推進はどのように行うべきかについて、西側のやり方を参考にして金持ちの人から税金を多く取ればいいとする見方がある。たとえば高額の相続税や不動産税など資産にかかる税を徴収することだ。

李稲葵氏はこれについて、「これは短期的には、中国の社会に合わない。中国社会は日本や米国などとは大きく異なる。中国では家族観が非常に強く、両親や配偶者、子どもの生活を保障するために奮闘するという側面が強い。このような背景の中で相続税などを徴収すれば、社会の問題が激化しやすく、共同富裕の本来の目的に反してしまう。政府が介護や教育、医療などの公共サービスをしっかり整備することで人々の後顧の憂いがなくなって初めて、こうした資産にかかる税を徴収する機運が熟すことになる」と述べた。

今、最も重要なことは、なんと言っても主要な問題点をしっかりととらえ、都市と農村との格差や地域間の格差を縮小することであり、新農村建設と農村振興に本腰を入れることだ。その次が、介護や医療、教育など公共サービスの質と均等化レベルを引き上げること。3つ目がようやく所得格差の縮小だ。それには、働いて得る収入の開きに注目するだけでなく、働いて得る所得と資産によって得る所得との開きにより注目する必要がある。

王東京氏は、「共同富裕の推進とは『貧富の均一化』であってはならず、次の3点を重点的に行う必要がある。第1に、個人の財産権を厳格に保護し、企業家に安全感を与え、彼らが投資を積極的に行って、資産の『パイ』を大きくすることを支持する。第2に、企業家が合法的な経営活動を行い、法律に基づいて税金を納め、社会的責任を着実に履行するよう導く。第3に、政府は貧困者支援の主な職責を担い、財政予算によって貧困層が生産活動を発展させ、収入を増やせるよう支援する」との見方を示した。

■中国が共同富裕を推進する重要な意義とは?

中国が共同富裕を推進すれば、中所得層の拡大をもたらし、それによって消費規模が拡大することになる。より重要なのは、中国が世界的な挑戦を行っているということだ。探求の過程で新たな発展の道が形成されれば、世界の国々によいモデルを提供することになる。

李実氏は、「貧富の格差、または不均衡成長とも言われる問題は世界的なものであり、多くの国が解決の道を探っている。こうした中で、中国が初めて『共同富裕』を明確に打ち出した。これは理念であり、行動の綱領であり、将来の発展目標であり、他国が明確に打ち出したことのないものであるため、国際社会で広く注目されている」との見方を示した。

公平性と効率性という2つの目標はこれまでずっと両立が難しかった。この2つを互いに協調させ、促進し合う関係にするにはどうすればよいか。どちらか一方だけでもなく、一方がもう一方に取って代わるということでもない関係にするにはどうすればよいか。これは中国が模索し解決すべき重要な問題だ。模索や解決の過程で、革新的なメカニズムや方法によって新しい道が切り開かれることになり、それはある程度、他国にも貴重な経験を提供することになるだろう。

また、共同富裕の推進は多国籍企業にとっても中国企業にとっても好材料だと言える。中国が共同富裕を推進し、都市と農村の格差、地域間の格差、所得格差が縮小し、オリーブ型の分配構造が形成されれば、中所得層の規模が拡大する。これは、消費ニーズのレベルアップと市場規模の持続的な拡大、そしてそれに伴う企業の生産・市場・利益拡大も意味している。(提供/人民網日本語版

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