マレーシアの映画検閲当局は、中国で大ヒットを記録した戦争映画「長津湖」の上映を禁止した。

中国の映画「長津湖」は、1950年11月から12月にかけて現在の北朝鮮・長津湖周辺で行われた「長津湖の戦い」に参戦し、米軍と戦った中国人民志願軍を英雄として描く作品。興行収入は現在、56億元（約1007億円）を超え、「今年の世界最高」を記録している。

中国メディアの環球時報が24日、米芸能メディアVariety（バラエティー）の報道として伝えたところによると、映画「長津湖」はマレーシアで今月18日から上映予定だったが、映画館チェーンがポスターをSNS上に投稿すると、共産主義を宣伝するものとの批判の声が上がった。

地元の配給会社、メガフィルムディストリビューションは声明で、同映画は共産主義を宣伝するものではないとした上で、「観客は、中国人民志願軍が極寒で過酷な環境下でどのように戦ったかを知ることができる。それを見たい人にとって、そうした訴えは不公平だ」とし、映画検閲当局による再検討のため作品の再提出を検討していると明らかにした。（翻訳・編集/柳川）