中古品経済が活発化、使わない物を売買しているのは誰?―中国

人民網日本語版    2021年11月23日(火) 21時50分

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中古車、中古住宅といった大きな物はさておき、億単位のユーザーを擁する中古品ECプラットフォームは、すでに人々の生活にしっかり組み込まれている。写真はノートパソコン。

使わなくなったものを売買するのは今では特別なことではない。中古車、中古住宅といった大きな物はさておき、億単位のユーザーを擁する中古品ECプラットフォームは、すでに人々の生活にしっかり組み込まれている。少し前に終了した「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)で、某中古品ECプラットフォームが非常に興味深いデータを発表した。同プラットフォームでは、イベント開始28時間でスマートフォンを通じた3C製品(コンピューター、通信機器、家電)の取引決済件数が17万1000件に達し、回収業務の引き取り受注件数が5万7000件に上り、プラットフォームと消費者と合わせて少なくとも430万キログラムの二酸化炭素(CO2)の排出量削減を実現した。人々が新しいものを買い、届いた箱を開けることを通じて、中古品市場が数000億元規模の消費の新たな「ブルーオーシャン」へと発展している。

■使わない中古品を売買しているのは誰?中古品の売買で気をつけるのは?

中古品プラットフォームを利用して7年になる消費者の陳さんは、「私が知っている多くの男性が中古品プラットフォームで電子製品を物色し、女性は衣類などを物色しているようだ。大学生の時は生活費にそれほど余裕がなかったので、コストパフォーマンスが最も高い方法で欲しいものを買うにはどうすればよいかを考えなければならなかった。仕事をするようになって手元に少し余裕があるようになると、時間をかけて比較して選び抜く必要はなくなった」と振り返った。

SNSの豆瓣のアプリには、「中古(品)」が名前に入ったグループが非常に多くあり、そのうち「中古不要品」と「中古取引」のグループには約54万人の登録者がいて、多くのメンバーが自分の使わなくなったものの情報を発信し、縁のある人に譲りたいと考えている。情報・ソリューションを提供する易観が分析して発表した業界インサイト報告では、中古品市場のユーザーの年齢層を見ると、35歳以下が中心で、「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」は商品を消費する時にコストパフォーマンスを重視しながら、過剰な消費も楽しみたいと考えており、消費高度化を担う中心層だ。また、Z世代(1995年から2009年生まれ)も中古品ECの潜在的ユーザー層だという。

2014年に電子製品の「熱心なファン」の陳さんは中古ECプラットフォームで初めて買い物をした。それから7年間にわたり、同プラットフォームで中古のマウス、ルーター、ビデオカード、レンズなどを次々購入した。陳さんは、「こうした商品は新品でも中古でもあまり変わらないし、中古の方がコスパがよりよい。仮想マシンでゲームをしたい時などは、特に高度なことは必要ない。新品はとても高額だが、状態のいい中古品か保証期間内の中古品を探せば、半分の値段で買える可能性がある」と話した。

取材で気づいたのは、消費者がしばしば「安い」、「コスパがよい」と口にしたことで、中古ECプラットフォームの価格的優位性がまだそれほど収入のない若者の盛んな購買意欲を呼び込んでいることだ。しかし「本物か偽物か見分けにくい」ことが避けられない泣き所にもなっている。網経社EC研究センターネットワーク小売部の部長を務めるシニアアナリストの莫岱青さんは取材に対し、「ユーザーの中古ECの受け入れレベルはそれほど高くない。売買双方の信頼関係がまだできていない」と述べた。

■徐々に消費の主流トレンドに、中古経済はなぜヒートアップしたか?

中古EC市場の取引規模とユーザー規模が年々拡大し、従来型ECの勢いある発展が中古取引市場のブルーオーシャンもある程度切り開き、大手や資本が次々にこの分野へ参入している。21年1-6月には、中国中古EC産業への投融資案件は9件に上り、融資金額は57億6000万元(約1033億円)を超えた。ここから、使わなくなったものが中古ECプラットフォームでリサイクルして流通することが、将来の消費トレンドの主流の一つになる可能性があり、このトレンドを牽引する要素は多方面にわたることが予想される。易観の分析によると、一方で、ここ数年間に国が発表した複数の関連措置が、中古品業界の健全で規範化された発展を推進した。他方で、消費が形成した商品ストック市場が中古品EC発展の基礎になった。このほか若いネットユーザーの占める割合が年々上昇し、現代の若者は商品消費や中古品取引に対する考え方が上の世代と異なることも、中古ECの発展に新たなユーザーのフローを注入したという。

莫さんは「低炭素・環境保護、リサイクルなどの概念が人々の間に浸透するにつれ、多くの消費者の実際のニーズと中古品取引プラットフォームが提唱する『価値の再創造』の理念とが期せずして一致した」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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