日本の工作機械がなければ、中国のハイエンド製造は何もできないのか?―中国メディア

Record China    2021年11月18日(木) 9時20分

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15日、観察者網は「日本の工作機械がなければ中国はハイエンド製品が作れないのか」とする記事を掲載した。

2021年11月15日、観察者網は「日本の工作機械がなければ中国はハイエンド製品が作れないのか」とする記事を掲載した。以下はその概要。

工作機械は工業の母艦と言える存在であり、ネジから航空機エンジンのフィンまであらゆる工業製品が工作機械による加工を必要としている。中国でも工作機械の発展に力を注いできたものの、今なおハイエンドな工作機械には参入できていない。

近ごろ、中国の工作機械の注文が来年3月まで入っていて、3交替制で製造しても追いつかないといったようなニュースが伝えられた。国内の工作機械メーカーは喜びを隠せず、急増した市場ニーズに対応すべく、工場の拡張を決めたという所さえある。これまで「大規模で弱い」というのが中国の工作機械の代名詞であり、その呪縛を打破するのにわれわれは70年歳月を費やした。

1949年の建国当初、われわれの製品はすべてソ連の図面から作った模倣品で、そこから経験を積み、人材の育成を始めた。例えばハルピン工業大学はソ連式の教育体制のもとで高い技術力を持つ多くの人材を輩出した。中国で最も不足しているというデジタル制御工作機械も、実は西側とほぼ同じペースで歩んできたのだ。1952年に米マサチューセッツ工科大学が初のデジタル制御フライス盤を開発したわずか6年後に、清華大学と北京第一機床廠も中国初のデジタル制御フライス盤を開発した。しかも、ハルピン工業大学が開発したデジタル制御フライス盤は当時の世界最新レベルに肩を並べていた。

70年代末には大規模集積回路やマイクロプロセッサー技術がデジタル工作機械に導入され、日本や欧米の工作機械工業の飛躍的な発展の基盤が築かれた。しかし、当時はまだ中国と欧米の間に技術的に大きな差はなく、80年には北京機床研究所が日本のファナックを通じてデジタル制御システム技術を呼び入れ、吸収した。

改革開放初期は、それまで外部との交流が少なかったためにまず国外の先進的な技術を積極的に取り入れる方針を取り、巨額の費用を投じた技術開発を後回しにし、外国との合弁事業によるビジネスを展開していった。ただ、「市場」、「技術」の間で揺れながらも中国では完全にどちらか一方を取ったということはなく、開発も続けられてきた。国内の工作機械業界も、2013年には一般の工作機械からデジタル制御工作機械へとアップグレードを実現している。

近年では業界再編が進み、パワーを結集させてハイエンド工作機械分野でのブレイクスルーを期している。再編による統廃合で誕生した国有の中国通用技術集団は今年4月の国際工作機械展覧会で8種類の新製品を含む、26種類の代表的なハイエンド工作機械を発表した。また、創世紀、海天精工といった民間メーカーの多くも、細分化された分野でリーディングカンパニーとしての地位確保に向けて邁進している。

数年前、日本メディアが「日本の工作機械がなければ中国はハイエンド製品が作れない。日本が大型工作機械を封鎖すれば、中国は空母も作れなくなる」と報じたが、このような見立ては現在、すでに過去の話となった。外資との合弁、外資の買収、技術の吸収、技術の囲い込みに対する制裁を経て、中国の工作機械産業はより成熟し、ローエンドからミドルレンジで苦戦する呪縛を打破し始めている。工作機械の寿命は一般に10年と言われる。工作機械業界が最後にピークを迎えたのは2011年頃で、これから新たな10年のサイクルが始まる。新型コロナで世界の製造業が苦しんでいることも、中国の工作機械市場の繁栄を後押ししている。「技術」と「市場」の両方に支えられて、中国の工作機械産業はハイエンドの領域に手が届くところまでやってきたのだ。(翻訳・編集/川尻

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