今年の「ダブル11」、30万人の若者が「買わない」のはなぜ?―中国

人民網日本語版    2021年11月11日(木) 18時40分

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「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)のプレセール第一弾で買った商品はすでに購入者のもとに届き、続いて第二弾の配送手配が進められている。

「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)のプレセール第一弾で買った商品はすでに購入者のもとに届き、続いて第二弾の配送手配が進められている。「ダブル11」は、以前は11月11日だけの1日限りのショッピングイベントだったが、今では1カ月にわたる長期のイベントに拡大した。さまざまなタイプの店舗があの手この手を繰り出して買い物ムードが盛り上がる中、何か買わなければまるで「大損をした気分」になる。中国新聞網が伝えた。

しかし、「買おう買おう買おう」という声があふれる中でも「買わない」人たちもいる。SNSの豆瓣の「消費主義逆行者」というグループには約30万人が登録し、買い物という行為を深く考え、見つめようとしている。

■買う?買わない?

第一弾のプレセールで、インフルエンサーの李佳[王奇](リー・ジアチー)さんと薇婭(viya)さんが行ったライブ配信の視聴者は約5万人に上り、累計取引額は李佳[王奇]さんが107億元、薇婭さんが83億元に達した。多くのネットユーザーが「この100億元(約1700億円)に自分も貢献した」とコメントする。一方で、「ライブ配信の夜は早く寝てしまった。消費主義の狂乱の渦を前にして心穏やかに過ごすには、『死んだふり』をするしかない」とコメントする人もいる。

ショッピングイベントでは、「買う」場合はそれほど多くの理由は要らないが、「買わない」場合は少なくとも一度は葛藤を乗り越える必要がある。「消費主義逆行者」グループがしているのはまさにこの葛藤の克服だ。

同グループは設立から1年余りで、現在の登録者は30万人に迫る。「買わない」ことのほうがグループの特徴をうまく伝えられると考えて、「買わないグループ」と呼ぶ人も多い。

「買わないグループ」に入る人には、ミニマム主義を実践する人や単純に節約したい人もいれば、買わないように言ってほしいという人もいる。しかしよく議論になるのはやはり、あるものを買うか買わないかという話題だ。

たとえば、学生なら資料を読んで復習する必要があるので、iPad(アイパッド)を買う必要があるかどうかが話題になる。このほか、マルチビタミンを買う必要があるか、衣類乾燥機は本当に必要か、書見台は無用の長物かといったことも議論される。もちろん「どうやって『ダブル11』で高まっている購買意欲を抑えるか」についての議論もある。

グループ代表の「砕砕鉄」さんは、「多くの人が、このグループが伝えたいのは買わないことやお金を節約することだと思っている。実はそうではなく、消費主義に巻き込まれることなく、自分の本心と実際のニーズを大切にし、モノを100%活用する暮らしをしようということを伝えたいだけ。『無用』のモノが大好きで、安心と喜びを感じるなら、買うことを我慢しなくていい」と話す。

消費市場の誘惑に抵抗するため、同グループのメンバーはいろいろな裏技を編み出した。表を作って自宅にある衣類199着を整理分析し、自分の買い物の傾向、着ない服の割合とその原因、対策などをまとめた人もいる。

SNSなどで商品を宣伝して人に購入を促すのが好きなあるネットユーザーは、「衣類を販売するブロガーやブログのフォローをやめれば、購買欲は80%なくなる」という書き込みをした。

また、カラーセラピーの観点から、ショッピング関連ソフトウェアのテーマカラーを緑に変えると、購買意欲がすっかりなくなるなどと分析する人もいる。

■なぜ「爆買い」をしないのか?

同グループでは、消費主義とは何かについてもいろいろな見方が出ている。たとえば、「掃除ロボットは消費主義か」、「火鍋好きは消費主義か」という議論に多くの人が参加している。

「砕砕鉄」さんは、「消費観は人それぞれ。セルフコンシステント(首尾一貫していること)であればそれでいい。たとえば自分はおいしいものを食べることが大好きな人間なので、火鍋を食べることが消費主義だとは全然思わないが、食欲と物欲は同じもので『お腹を満たせて飢えを感じなくなればいい』と考える人たちもいる。彼らにとってみれば、ネットの人気者が勧める話題の『今行きたいグルメ』などは、確かに消費主義にほかならないだろう」と話す。

「砕砕鉄」さんによると、消費習慣が異なるのは当たり前のことで、他の人たちの好みを論じたり評価したりはしないし、買い物から楽しみを得るのも1つのライフスタイルだという。何にお金を払うかにかかわらず、大切なのは自分にとって必要かどうか、本当に好きかどうか、使い続けられるかどうかを見極めることだ。一度何かを買ったからといって、それですぐに自分をよりよくすることはできない。もっと重要なのは、自分を本当に理解し、自分を受け入れ、内側から湧いてくる原動力を生み出すことだという。

同グループの中には「買い物魔」だった人が少なくない。ネットショッピングで26万元使ってから自分を振り返るようになった人もいれば、爆買いをやめて必要に応じて買うようになった人、ぜいたく品に夢中になり買い物では必ず有名ブランドを買うという人もいる。

消費スタイルの変化とは、単純に「買わない」ことを意味するだけではなく、消費者が自分は一体どんな生活を送りたいのかを考え始めたことも意味している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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