韓国の尿素水不足、経済全体が非常事態に、主要紙「チャイナリスク」に警鐘

Record China    2021年11月12日(金) 12時0分

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韓国でディーゼル車の運行や火力発電所などの操業に必要な尿素水が不足し、経済全体が非常事態に。主要供給国の中国が輸出を制限したためで、韓国紙は「チャイナリスク」に警鐘を鳴らした。尿素水

韓国でディーゼル車の運行や火力発電所などの操業に必要な尿素水が不足している。主要供給国の中国が輸出を制限したためで、トラックなどの運行が止まれば、物流が詰まるという恐怖が広がり、経済全体が非常事態に。韓国紙は「チャイナリスク」に警鐘を鳴らした。

ハンギョレ新聞などによると、今回の問題は中国の海関総署(関税庁)が10月11日に発表した短い公告を通じて始まった。この公告により、4日後の15日から尿素など29の物質が以前にはなかった輸出検疫を受けることになった。これを韓国では事実上の「輸出禁止」措置と受けとめ、「尿素水の品薄」というパニック現象が起きた。

韓国では2015年以降に製造されたディーゼル車は、ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物を尿素水で浄化する「選択触媒還元」システムを搭載する必要がある。尿素水を持続的に供給しなければならない排出ガス低減装置を装着したトラックなどは事実上、走れなくなる。

火力発電所も同様。石炭、LNG(液化天然ガス)、石油を燃料とする一部の火力発電所では汚染物質を減らすために尿素水が使用されている。現在稼働している185基の火力発電機(公企業保有分)のうち、15%前後が尿素水の必要なものだとされる。暖房用の電力需要が急増する冬を前に、火力発電がストップすれば大規模停電という非常事態が発生しかねない。

事態を重視した韓国政府は尿素水2万7000リットルを緊急輸入するため、オーストラリアに空軍の多目的空中給油輸送機「シグナス(KC-330)」を派遣。さらに物流の混乱を避けようと非常措置を発動し、車両用の尿素水の販売先をガソリンスタンドに限定した上、一度の購入量も乗用車10リットル、貨物·ワゴン車30リットルとした。

朝鮮日報によると、韓国が今年1~9月に中国から輸入した尿素は車両・産業用を合計して1億2000万ドル(約137億円)相当だ。同じ期間の韓国の輸入全体に占める割合は0.03%にすぎない。

同紙は「これほど割合が低い品目のせいで物流、建設、化学を含む産業全体が深刻な危機に直面したことは、中国に過度に依存した結果だと指摘されている」と言及。「中国への依存度が行き過ぎた状況で米中対立が激化すれば、中国は資源を武器化して、第2、第3の尿素水騒動を起こしかねないとの声が出ている」と続けた。

さらに「韓国の輸入品1万2586品目のうち特定国家への依存比率が80%以上なのが3941品目あり、うち中国が半分に迫る1850品目に上る。韓国の中核産業は実際に相当部分を中国産の原材料に依存している」と説明。「行き過ぎた中国依存は経済安全保障面でも問題」と警告した。(編集/日向)

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