女性宇宙飛行士の船外活動における特殊な点とは?―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月8日(月) 18時50分

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王亜平氏は中国で初めて船外活動を行った女性宇宙飛行士となった。では女性宇宙飛行士の船外活動における特殊な点はあったのだろうか?

中国有人宇宙事業弁公室の発表によると、翟志剛(ジャイ・ジーガン)氏と王亜平(ワン・ヤーピン)氏は北京時間7日、中国次世代「飛天」船外宇宙服を着用し、前後して「天和」コアモジュールとノードモジュールから船外に出た。王氏は中国で初めて船外活動を行った女性宇宙飛行士となった。では女性宇宙飛行士の船外活動における特殊な点はあったのだろうか?環球時報が伝えた。

国際宇宙航行連盟(IAF)宇宙輸送委員会の楊宇光(ヤン・ユーグアン)副主席は、「中国の宇宙飛行士の選抜及び訓練において、乗組員が2人の場合であっても3人の場合であっても、チームワークが非常に重要な審査の指標になる。チームワークは優れた意思疎通能力の上に成り立つ必要がある。これまで中国が展開した複数の宇宙飛行士船外活動をみても、船外の宇宙飛行士2人の間の協力、船外と船内の宇宙飛行士の間の協力、優れた意思疎通及び表現の能力が非常に重要であることが分かる。そして女性は交流と意思疎通に長け、言語による表現能力が高い。こうした特徴は女性宇宙飛行士の船外活動の支えとなる」と述べた。

王氏も以前取材に応じた際に、女性だからといって宇宙環境のハードルが下がることはないと述べた。楊副主席は、「宇宙の強放射、極端な温度差、生じうるスペースデブリや微小隕石などの過酷かつ危険な環境は、すべての宇宙飛行士が船外活動で直面しなければならない危険だ」と説明した。

楊氏によると、女性宇宙飛行士の船外活動は身体面で特殊な試練に直面する。船外活動は完全な無重力状態で行われるため、日常的な地上の環境において活動に用いられる下肢は、「宇宙遊泳」においてそれほど大きな力を発揮しない。船外活動は主に上肢を使い、宇宙ステーションの外部でよじ登り、さまざまな操作を行う必要がある。これは上肢の力と持久力が極めて求められることを意味している。世界的にもすべての女性宇宙飛行士がこのような試練に直面している。今回の船外活動は6時間近く続き、王氏の訓練の成果を十分に示したと言える。

また、公表されている資料によると、王氏が今回の船外活動で着用したのは、宇宙貨物船「天舟3号」が宇宙に送り込んだ第2世代「飛天」船外服。この王氏と共に歴史を作る船外宇宙服はサイズが最適化されており、より体にフィットしている点は注目に値する。

楊氏によると、米国では宇宙飛行士と宇宙服のサイズが合わなかったことが原因で、船外活動に遅れが生じるケースが以前あったという。昨年行われた女性宇宙飛行士だけの宇宙遊泳任務において、アメリカ航空宇宙局(NASA)は女性宇宙飛行士のペギー・ウィットソン氏にこの歴史的な瞬間を任せようとした。ウィットソン氏は宇宙滞在期間が最長の米宇宙飛行士で、すでに662日滞在していた。ところが当時、彼女に合ったサイズの船外宇宙服がなかったことから、NASAは最終的に別の女性宇宙飛行士のジェシカ・メイア氏とクリスティーナ・コック氏を人類史上初の女性のみの船外活動に派遣した。そのためウィットソン氏は歴史を作り続けることができず、本人にとっては遺憾なことだった。

楊氏は、「この王氏のために作られた宇宙服は、より快適でフィットしているはずだ。われわれはこの歴史的な瞬間のために、細やかで念入りな準備を整えたと言える」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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