野党「国民の力」公認候補に前検事総長の尹錫悦氏、重大課題は「疑惑の克服」―韓国メディア

Record China    2021年11月8日(月) 6時0分

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5日、韓国・京郷新聞は、来年3月の韓国大統領選に向けた最大野党「国民の力」の公認候補に尹錫悦氏が選ばれたことを受け、人物像を詳しく紹介している。写真は尹氏。

2021年11月5日、韓国・京郷(キョンヒャン)新聞は、来年3月の韓国大統領選に向けた最大野党「国民の力」の公認候補に尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が選ばれたことを受け、人物像を詳しく紹介している。

1960年ソウル生まれの尹氏は、ソウル大学法学部4年生在学中に司法試験1次試験に合格したが、2次試験で何度も不合格となっている。尹氏をよく知る人物らによると、「酒と人付き合いが好きなせい」だという。91年に31歳で司法試験に最終合格し、94年に大邱(テグ)地検刑事1部で検事生活をスタートさせた。遅いスタートながら捜査能力が認められ、要職を歴任。数々の事件の捜査を主導した。

2013年に国家情報院の大統領選介入疑惑事件で特別捜査チーム長を務めたが、情報院職員の逮捕強行によりチームを外されることとなり、同年10月に現場を去った。16年に朴槿恵(パク・クネ)前大統領の親友が国政に介入した事件の特別検察官チーム捜査チーム長に任命され、現場復帰。文在寅(ムン・ジェイン)政権に変わった翌年には、ソウル中央地検長に昇進した。いわゆる「積弊清算」の陣頭指揮を取り、李明博(イ・ミョンバク)元大統領を横領・背任の嫌疑で、梁承泰(ヤン・スンテ)前最高裁長官を司法行政権乱用の嫌疑で拘束・起訴した。

19年には検察総長に任命され、任命式では文大統領が「権力の顔色をうかがわず、人に忠誠を誓わない姿勢で厳正に処理し、国民の希望を一身に受けた。その姿勢を最後まで貫いてほしい」と述べている。しかしその後、文大統領の最側近だったチョ・グク元法相一家の疑惑捜査に着手したことで、文政権との摩擦が深まった。記事は「野党公認候補、尹錫悦という想像もつかなかった絵が描かれ始めたのはこの頃」だと伝えている。

尹氏が21年3月に検察総長を辞任すると、その3日後には「大統領選支持率1位」に浮上し、出馬を既成事実化した。6月に政界入りを宣言し、今月5日、最大野党候補に選出された。政界入りから間もないため経験値の乏しさも指摘されており、記事は尹氏を「文大統領の剣から、文大統領を狙う剣へ」と評しているが、「国政遂行能力には、依然として疑問符がつく。相次ぐ失言と疑惑による『尹錫悦リスク』をどう克服するかが重大課題だ」とも指摘している。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「文在寅の疑惑を徹底的に捜査して厳罰にしてくれることを国民は望んでいる」「それが誰であれ、罪を犯したなら監獄送りにする大統領になってください」「支持してなかったけど、この人が大統領になれば文在寅を監獄に送れるかもしれないと思って、尹錫悦支持に転向しようかと」「自分の思い通りに使えない剣を捨てたのは文在寅本人。刃を研いで、腐った文在寅を切り捨てる番が来た」など、支持のコメントが寄せられている。

一方で、「この人が大統領になることに反対はしないが、今は時期尚早だと思う。政治の勉強を積んで、国会議員から始めるとか、力を立証してから出馬しても遅くないのでは」「入社4カ月の新入社員に代表理事を任せるようなものじゃないか」「(大統領に)なれると思って出馬したの?」など、反対派のコメントも多く見られた。また、「今回の大統領選は期待できない。投票しないつもりだよ」「投票を棄権する」といった声も上がっている。(翻訳・編集/麻江)

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