中国はなぜDEPA加盟を申請したのか?その影響は?―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月5日(金) 10時0分

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中国商務部の王文濤部長は1日、ニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興担当大臣に書簡を送り、中国を代表してDEPAの寄託国であるニュージーランドにDEPA加盟を正式に申請した。

中国商務部の王文濤(ワン・ウェンタオ)部長は1日、ニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興担当大臣に書簡を送り、中国を代表して「デジタル経済パートナーシップ協定」(DEPA)の寄託国であるニュージーランドにDEPA加盟を正式に申請した。中央テレビニュースが伝えた。

■DEPAとは?その内容は?

DEPAはDigital Economy Partnership Agreementの略で、デジタル経済に関する新たな協定。シンガポール、ニュージーランド、チリが2020年6月12日にオンラインで署名し、3カ国間のデジタル貿易協力を強化し、関連の規範を含んだデジタル貿易協定を構築することが狙いだった。

DEPAはECの円滑化、データ移転の自由化、個人情報のセキュリティー強化を主な内容とし、人工知能(AI)、フィンテックなどの分野での協力強化について規定を打ち出した。

DEPAには16の構成要素があり、商業・貿易円滑化、デジタル製品・関連問題の処理、データ問題、デジタルアイデンティティー、新興トレンド・技術、イノベーション・デジタル経済、中小企業の協力、デジタル包摂などが含まれる。いくつかの要素をさらに詳しく見ると次のようになる。

▽商業・貿易円滑化:貿易のペーパーレス化、電子インボイス、電子決済など

▽データ問題:個人情報の保護、電子的手段を通じて行う国境を越えたデータの流動、コンピュータ施設の位置など

▽新興トレンド・技術:フィンテック協力、AI、政府調達、競争政策での協力など

■中国はなぜDEPAに加盟するのか?

同部によると、DEPAへの加盟申請は、中国の国内改革を一層深化させ、高い水準の対外開放を一層拡大するとの方向性に合致し、新たな発展構造において中国が各加盟国とのデジタル経済分野の協力を強化し、イノベーションと持続可能な発展を促進することに資するという。

商務部研究院EC研究所の杜国臣(ドゥー・グオチェン)副所長は、「DEPAは確かに比較的新しい協定で、その規模は小さく、シンガポール、チリ、ニュージーランドという経済規模の小さい国により提起されたものだが、非常に重要な特徴を備えている。それは既存の貿易・投資協定以外に、デジタル経済の協定を単独で打ち出すというトレンドを代表していることで、世界初のデジタル経済に関する重要なルール設定となる」と述べた。

杜氏は、「現在は投資であれ貿易であれ、デジタル化した形式によるものがますます増えている。米ブルッキングス研究所の試算では、世界の国境を越えたデータフローが世界の国内総生産(GDP)の増加に及ぼす推進的役割はすでに貿易と投資を上回っている。そのためデジタル分野の国と国との間のルール設定の重要性がますます明らかになっている。現在の情勢の中で発生したデータの国境を越えたフロー、現地化されたデジタルストレージ、デジタルセキュリティー、個人情報保護、反独占など一連の問題は、ルールと基準による協調が必要だ。そのためデジタル経済、デジタル貿易は目下の世界と地域の経済ルール設定において、またグローバル経済ガバナンスシステムにおいてますます重要になっている」との見方を示した。

杜氏はさらに、「グローバルデジタル経済ルールの制定には2つの流れがある。1つはデジタル経済単独でのルール設定であり、DEPAがそれに当たる。もう1つは地域的な包括的経済連携(RCEP)、米国・メキシコ・カナダ協定、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)などがそれに当たり、EC、データの国境を越えたフロー、現地化されたデジタルストレージなどに関わる内容を含む。中国がこのたびDEPA加盟を申請したことから、グローバル経済ガバナンスに参加しようとする中国の決意がはっきり固まったことが見て取れる」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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