中国では「留学帰国者」と「国内大学卒業生」のどっちが有利?―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月2日(火) 19時50分

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以前は「時代の寵児」と見なされていた留学帰国者が今、競争の激しい就職活動のプレッシャーを感じるようになっている。

雇用市場では最近、2つの数字が注目を集めている。1つは、中国教育部の統計で、2021年度の中国全土の大学卒業生が初めて900万人を超えるという予想で、もう1つは、ある研究報告の数字で、2020年下半期以来、中国国内で就職の機会を積極的に探している留学帰国者が前年同期比103%増というデータだ。このように以前は「時代の寵児」と見なされていた留学帰国者が今、競争の激しい就職活動のプレッシャーを感じるようになっている。人民網が伝えた。

これまでずっと、海外留学には特別な意味があった。個人という観点からすると、それは広い世界に触れ、さらに多くの人生の選択肢を探し、広い視野を身につけ、さまざまな文化に触れ、適応能力を身につける機会となっていた。また、国という観点からすると、立ち遅れた農業国が近代化工業国へと発展するために必ず通る道で、人材が海外に進出でき、海外からも人材を誘致できる状態にならなければ、あるものと無いものを互いに融通し合ってうまくやっていくことはできない。

海外に行って勉強し、帰国して国に貢献するというのが、世界に目を向け、心は祖国に向ける昔の留学帰国者の描写であるなら、現在海外に留学する人には、優位性を身につけるための機会という現実的な見方がそこに加わっていると言えるだろう。例えば、海外に留学すれば、同年代の人々を「カーブで追い越す」ことができると考えている人もいる。また、大手グローバル企業は、海外留学や海外での仕事の経験がある人を好み、海外留学すれば、就職の際の選択肢がかなり増えると考える人もいる。しかし、盲目的に周りに流され、たくさんのお金をつぎ込んで、無理にでも留学したにもかかわらず、結局ぶらぶらしただけで、何の収穫もなかったという人が大勢いることも確かだ。

冷静かつ公平に論じるなら、海外留学には確かに魅力がある。一部の学科や分野では、中国は依然として追走している状態で、学び続けなければ世界から取り残されてしまう。また、多元化された文化環境で養う観察の視点や表現能力は、経済がグローバル化する今の時代において、非常に有用だ。

しかし、メリットも多いものの、「留学イコール肩書」という公式は崩れ去り、「留学帰国者は中国の大学卒業生より有利」という立場は逆転しているというのも、明らかな動向だ。中国と海外の経済発展の水準や教育の質の差は目に見えて縮まっており、中国国内の大学卒業生の競争力も継続的に向上している。また、政策・法規から体制、メカニズムなどの点で、留学帰国者が中国の企業に馴染めないというケースも多く、雇用機関にとっては懸念材料となっている。「2020年留学帰国者就職力調査報告」によると、留学帰国者の12.8%が「年収30万元(約540万円)以上もらえるはず」と考えているものの、年収が実際にその額に達している人は5%にとどまっている。留学帰国者の約4割の年収は10万元(約180万円)未満だ。自分に対する評価と市場の評価の間にあまりにも差があり、一部の留学帰国者は、「何年も働いているのに、留学の費用分もまだ稼げていない」と感じており、海外留学のコストパフォーマンスは高くないのではという声さえある。

実際のところ、雇用市場においては、永久に変わらない絶対的な肩書など存在しない。今でも、留学帰国者は依然として有利であるものの、もてはやされることはなくなってきている。優秀な留学帰国者であっても、才能の抜きんでた中国の大学卒業生であっても、人材というのは、お金や肩書を積み上げて作り上げられるものではなく、学んで成果を挙げ、地道にコツコツと励むことで作り上げられていくものだ。就職の際には、「留学帰国者」と「中国の大学卒業生」という肩書が比較されるのではなく、実力と才能が比較されるのだ。さらに、今は中国政府が一層開放的な人材政策を実施しており、企業はどこの地域からでも人材を誘致し、人材の育成に力を入れ、形式にこだわらずに人材を採用している。そしてこうした政策の成果が現れ始めている。

「留学帰国者と中国の大学卒業生のどちらが有利か?」というのは、もともと道理に合わない質問なのかもしれない。優位性とはその肩書ではなく、実力や能力にこそあるからだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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