中国7〜9月期のGDP成長率が予想を下回る、注意すべきいくつかのポイントを解説―米華字メディア

Record China    2021年10月20日(水) 7時50分

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18日、米華字メディア多維新聞は、中国の7〜9月期の国内総生産(GDP)成長率が予測より下回ったことについて「注目が必要な問題」を論じる記事を掲載した。写真は広州地下鉄。

2021年10月18日、米華字メディア・多維新聞は、中国の7〜9月期国内総生産(GDP)成長率が予測より下回ったことについて「注目が必要な問題」を論じる記事を掲載した。

記事は、中国国家統計局が発表した今年7〜9月期のGDP成長率が4.9%にとどまり、4〜6月期の7.9%に比べて成長が大きく鈍化したと紹介。世界の状況を考えればこの数字は決して最低レベルではないものの、国内外の機関や経済学者による予測を下回る結果になったとし、昨年に新型コロナの影響で各種経済指標が大きく落ちこんでいたこと、中国が今なお発展途上の段階にあること、経済成長を支える多くの発展目標が掲げられていることを考えると、「この数字はやはり低すぎる」と評した。

その上で、予想を下回る経済成長率となった理由を四つ挙げて解説している。一つ目は新型コロナの影響が完全に払拭できていない点を挙げ、特にサービス業に従事する中小企業の大量倒産が発生するなど各業種の企業が引き続き苦しい経営状況にあること、世帯や個人の収入、就職状況が思わしくないことで消費力が低下したままであること、国内で散発的に発生している感染が正常な生産、消費活動をある程度阻害していることを指摘した。

二つ目には、中国政府による複数の業界市場に対する厳しい取り締まりが経済状況に影響を与えたとした。これまでに塾などの教育事業、インターネットプラットフォーム、オンラインゲーム、エンターテインメント、不動産などの市場に対してかつてないほどの厳しい取り締まりを実施しており、対象となった業界が多くの雇用を生み出し、国民の経済や財政収入の柱となっていたため「必然的に経済指標に反応が現れた」としている。

三つ目は不動産業界の影響を挙げている。不動産は金融機関や地方財政から、数千万という世帯の雇用、生計に至るまでの非常に長い産業チェーンを構築しているため、政府による業界の管理引き締めが国内経済に大きな影響を与えるとした上で、初期段階において「取り締まりの力を入れすぎた」ことの影響が経済指標に現れたとの見方を示した。

そして四つ目には、中国全土で深刻化している電力不足の影響に言及。「ある目標を設定するにあたり、経済成長や社会統治の効果とのバランスを考えなければならず、ある目標ばかりを追求するために、その他の目標を無視してはいけない。いずれにせよ、新型コロナや各種市場の取り締まりによってすでに国内経済が大きな影響を受けている中で、企業による生産のピーク時に、ある目標を追い求めるために電力供給を制限し、生産を抑えるというのは検証、検討の余地がある」と評している。

記事は「今後の経済対策でこれらの問題とどのように向き合い、大きな方向性を変えない中でピンポイントに調整、適応を行い、政策の力の入れ具合を調節して、経済に対する信用、信頼を回復するかが、中国の今年1年、さらにはもっと長い期間の経済成長を占うことになる」と結んだ。(翻訳・編集/川尻

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