日中韓投資協定が発効、3カ国間の経済貿易協力が新ステージへ―中国紙

Record China    2014年5月20日(火) 20時36分

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17日、「投資の促進、円滑化及び保護に関する中華人民共和国政府、日本国政府、大韓民国政府の間の協定」及び「議定書」(日中韓投資協定)が発効した。写真はソウル。

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2014年5月20日、国際商報によると、「投資の促進、円滑化及び保護に関する中華人民共和国政府、日本国政府、大韓民国政府の間の協定」及び「議定書」(日中韓投資協定)が17日に発効した。

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同協定が調印されてから2年が経過し、この間に3カ国はそれぞれ協定の発効に必要な国内の法律手続きを終わらせた。

同協定は3カ国の経済分野での最も大きな法的枠組みとして、経済貿易協力の新たな未来を切り開くものになるとみられる。

▼経済貿易協力の水準を引き上げ

同協定は日中韓の間で初めて締結された3カ国間の投資を促進・保護する法律文書であり、制度的枠組みである。これによって知的財産権の保護や多国籍企業と受け入れ国との間の紛争の解決に関する手続きを明らかにする。27の条項と1件の議定書から成り、国際投資協定に通常含まれる重要な内容はすべて網羅している。投資の定義、適用範囲、最恵国待遇、内国民待遇、徴収、移転、代行、税収、一般的例外、紛争の解決などについて条項が備わる。

中国商務部(商務省)条約法律司の責任者によると、同協定の発効は日中韓3カ国の経済貿易協力にとって重要な意義がある。同協定は3カ国の投資家により安定的で透明性の高い投資環境を提供し、3カ国間の相互投資を促進・保護し、3カ国の投資協力を一層深化させ、3カ国の経済貿易関係の発展を推進する上で積極的な役割を果たすものになるという。

日中韓は「一衣帯水」の隣国ではあるが、相互の投資協力はそれほど密接とはいえない。あるデータによると、同協定が調印された2012年現在、3カ国間の相互投資が3カ国の対外投資全体に占める割合はわずか6%だった。

中国社会科学院(社会科学アカデミー)世界経済・政治研究所国際金融研究室の陳虹(チェン・ホン)研究員によると、日中韓は産業チェーンでそれぞれの強みをもち、相互補完性が高く、産業協力には大きな潜在力がある。同協定は3カ国の投資をさらにグレードアップさせるという。

対外経済貿易大学国際経済研究院の桑百川院長によると、同協定の調印は伝統的な意味における投資協定の内容に関わるだけでなく、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉をさらに推し進め、産業協力や金融協力といった一連の具体的な内容を強化するものだという。

こうした具体的な内容を含む同協定は、3カ国の協力に実質的な影響を与えるとみられる。たとえば桑院長によると、金融分野での協力が一層強化されることは、日中韓の間の為替変動の安定化にプラスになり、ひいては3カ国の投資貿易活動に安定した環境を提供することにつながるという。

▼発効までの道のりは平坦ではなかった

実のところ、日中韓は早くも05年に政府間での同協定についての話し合いを始めており、07年に正式に交渉をスタートした。3カ国が関わるこの協定の交渉は複雑で、交渉スタートから12年5月13日の調印まで5年の時間がかかった。5年間に3カ国は13回の公式交渉と数回の非公式交渉を行った。

二国間の投資協定の調印は、国同士が相互に投資を保護する場合の主要な法的ルートだ。実際、同協定の調印に先立ち、1989年には日中の二国間協定が、03年には日韓の二国間協定が、07年には中韓の二国間協定がそれぞれ発効している。だが地域経済一体化のニーズが高まるのにともない、世界では自由貿易協定と二国間投資協定が併存する局面が徐々に形成されてきた。日中韓投資協定は日中韓FTAの重要な構成要素であり、その発効には大きな意義がある。日本は同協定を日中韓FTA交渉スタートの前提ととらえ、法的枠組みの整備をFTA交渉スタートの先決条件とみなしている。日本の関連部門の責任者によると、同協定は日中間投資協定の保護水準の一層の引き上げという観点を出発点として、知的財産権や公平・公正をめぐる規定をうち出したという。

13年11月22日、日本の参議院は同協定を全会一致で可決した。同じ頃、韓国でも国会での承認といった国内手続きが完了した。

同協定はもともと13年に発効するはずだったが、今年5月までずれ込んだ。中国商務部(商務省)研究院アジア・アフリカ研究部の徐長文(シュー・チャンウェン)主任(研究員)によると、最近、日中間、日韓間、中韓間の経済貿易関係には、さまざまの複雑な政治問題によって微妙な空気が流れている。同協定の発効までに一定の時間をおくことは、通常の現象だという。

陳研究員によると、日中韓の間にはさまざまなレベル、分野、問題をめぐって紛争があることは確かだが、これで3カ国の「違いがあっても一致点を探る」姿勢が変わることはない。自動車産業を例に取ると、日本はチップやナビゲーションといった精密なコアの部分で大きな強みをもち、韓国は電子製品で高い競争意識と凝集力をもつ。同協定には投資家と締約国との間の紛争解決、外貨両替の自由化といった基本原則が盛り込まれるほか、技術の譲渡をめぐる過分な要求の禁止も盛り込まれている。これらは投資企業の利益を保護する上で、最も力強い支援を提供するものといえる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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