博物館にもマーダーミステリー登場、中国の若者が「冒険」や「演技」を好むのはなぜ?―中国メディア

人民網日本語版    2021年9月19日(日) 23時40分

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中国の博物館が人気沸騰中のマーダーミステリーとコラボしている。

湖南師範大学の学生・陳雅婧さんと仲間たちはこのほど、特別展「地下宮殿の宝——法門寺唐代宮廷文化財精華」が開かれている湖南省の長沙博物館にマーダーミステリーを楽しむためにやって来た。唐代(618-907年)の衣装を身につけ、ヘアスタイルも唐代風にセットし、唐代の街並みや娯楽施設が再現された長沙博物館で、法門寺の地下宮殿に眠る文化財を手掛かりに、事件の謎を解いていく。そんなセレモニー感満載のマーダーミステリー「法門夢影」を、長沙博物館で楽しむことができる。中国青年報が伝えた。

博物館見学が多くの若者にとって生活の一部となっているのを背景に、博物館が文化クリエイティブグッズを打ち出すというのも珍しいことではなくなっている。しかし、博物館が、今人気沸騰中のマーダーミステリーとコラボするというのは、ちょっと意外な発想だと言えるだろう。

■博物館に展示されている文化財を手掛かりに

オリジナルシナリオの「法門夢影」は、長沙博物館と湖南省茶葉博物館が共同で打ち出した。湖南省茶葉博物館の易蓉(イー・ロン)常務副館長は、「法門寺の地下宮殿から出土した唐鎏金飛天仙鶴紋銀茶羅子や唐鎏金鴻雁紋銀茶槽といった文化財の多くは『茶』と関係がある。中国の茶文化は非常に奥が深い。そこで、来場者に、展示物を見学すると同時に、服や香道、書画といった茶文化関連の知識にも触れてもらいたいと思っている」と説明する。

陳さんは、「マーダーミステリーをプレーする過程で、展示されている文化財から手がかりを見つけなければならない。知識向上とゲームをコラボさせているので、単に展示品を見るだけよりも記憶に残る」と話す。

博物館はマーダーミステリーに最も適した場所と言えるかもしれない。文化財の展示ホールはそのまま没入型会場となり、文化財は手掛かりを与えてくれるのにピッタリな物品であり、歴史はそのままシナリオになるからだ。プレイヤーが夢中になってプレーしている間に、博物館も知識の普及という使命を自然と果たすことができる点も見逃せない。博物館のマーダーミステリーは娯楽と教育をうまくコラボさせている。

■若者が「冒険」や「演技」を好むのはなぜ?

パーティーゲームの一種であるマーダーミステリーの起源は19世紀の英国にまで遡ることができる。しかし、中国の若者がマーダーミステリーを楽しむようになったのは2013年になってからのことで、英語のシナリオ「死神は白衣をまとう(Death Wears White)」が中国に上陸し、マーダーミステリー業界が第一歩を踏み出した。ただ、当時はまだマニアックなゲームという存在だった。

中国でマーダーミステリーが本当の意味で広まったのは、まずオンライン上でのことだった。マーダーミステリーバラエティー番組「明星大偵探(Who’s the murderer)」のシーズン1が配信されたのは2016年のことで、2021年のシーズン6まで、コミュニティサイトー・豆瓣のレビューが8.5ポイントを下回ったことはなく、たくさんのファンを抱えている。

オンライン上で大ヒットとなり、その人気はオフラインにまで波及した。2019年、マーダーミステリー館が雨後の筍の如く出現するようになった。調査研究報告によると、同年、中国全土のマーダーミステリー館の数は、2400軒から一気に1万2000軒まで増加し、2020年末の時点では3万軒を超えた。その年にマーダーミステリー館デビューしたと記憶しているプレイヤーも多いだろう。

マーダーミステリーを魅力的にしているのは、「事件捜査」、「冒険」、そして、「演技」の2つの要素だ。前者は論理的に推理するIQが試され、後者は、役者になってみたいという夢をかなえてくれる。コア競争力である2つの要素を活用しようと、知識や体験を売りとする多くの業界がコラボレーションするようになっている。

マーダーミステリーは、若者が長く離れていたオフラインの活動に対する熱意を呼び覚ました。若者に人気の博物館や書店、景勝地、民宿などが、マーダーミステリーとコラボすることで、共に発展する方向性を見出している。これらの場所は、ある角度から見ると、マーダーミステリーの重要な意義にもかなっており、両者がコラボレーションし、互いに必要とする部分を補い合い、若者が楽しく遊べる場所を提供している。

では若者はなぜ「冒険」や「演技」を好むのだろうか?もしかすると、いろんな所に行っていろんなことを経験したいという好奇心や熱い想い、別の人になってみたいという夢は誰にもあるにもかかわらず、実現するのは難しいという現実と向き合うしかないケースがほとんどだからかもしれない。そして、映画「甲方乙方(夢の請負人)」で主人公が別の人の夢を1日だけ叶えてあげるかのように、実際には実現できないことを、数時間のマーダーミステリーを通して体験している。「夢」は永遠に価値のあるもので、「夢」から「現実」に向かうことで、現実に対する期待もより大きくなると言えるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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