東南アで「静かな巨人」に甘んじない日本、「低姿勢変える可能性も」と警戒―中国メディア

Record China    2021年9月19日(日) 7時20分

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日本が東南アで「静かな巨人」の低姿勢を変える可能性もと中国メディアが警戒感をあらわにした。中国の進出やG7が「一帯一路」に対抗する方針を打ち出したことなどが背景だ。写真はホーチミンで建設中の地下鉄。

日本が東南アジアで「静かな巨人」の低姿勢を変える可能性があると中国メディアが警戒感をあらわにした。中国の進出や主要7カ国(G7)が途上国向けのインフラ支援構想(B3W)を発表し、中国のシルクロード経済圏構想「一帯一路」に対抗する方針を打ち出したことなどが背景だ。

日本と東南アジアの関係について、中国網は「日本にとって海外に日本を築き、富を海外に隠すという方針はもはや秘密ではない」と指摘。「日本の対外純資産残高は世界一で、長年連続で世界最大の債権国の地位を保っている。東南アジア諸国への投資、特にASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国への直接投資も世界をリードする流れを示している)と続けた。

さらに英誌「エコノミスト」の記事を引用。「今年7月現在の日本のインドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナムにおける未完成プロジェクトの投資総額は2590億ドル(約28兆5000億円)で、中国は1570億ドル(約17兆3000億円)となっている。日本の経済産業省が7月に発表した第50回海外事業活動基本調査の結果によると、日本のアジア諸国における現地法人は約1万7400社で、うちASEAN10カ国の割合が9年連続で上がっている」と紹介した。

中国網によると、中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員は共産党機関紙・人民日報系の環球時報の取材に「かつて東南アジアを侵略した第2世界次大戦の敗戦国である日本は当初、政府開発援助により国際的なイメージを変えようとした。そのためこれらの国においては政治問題に触れず経済のみを扱い、一貫してこのような低姿勢を保った」と説明。「日本のこれらの国への投資は札束外交とも呼ばれる」とも付け加えた。

しかし、中国の対外投資が国際社会で注目されるようになると、状況は一変。呂氏は「中国が一帯一路を提唱すると、日本には中国が東南アジアのパイを奪うという心理が生じたようだ」と述べた。

同時に東南アジアはB3Wに加えて日米が主導する「インド太平洋戦略」の中心地域で、一帯一路とも重なる。中国社会科学院日本研究所の陳祥副研究員も環球時報に「全体的に見ると中日の東南アジアにおける競争はより複雑かつ敏感になる。中日双方の東南アジアにおける経済面の競争がより激化するだろう。また政治や安全保障などの考慮も加わることになる」と言及した。

その上で陳氏は「日本は将来的に、インフラの品質体制およびインフラの国家安全に対する長期的な影響のいわゆる『安保の角度』から、東南アジア諸国に中国からの介入を回避するよう働きかけるだろう」と分析。「日本の政治エリートおよび戦略界の関係者がすでに米国の戦略シフトにぴったり追随していることが分かる。日本の対中戦略も、得意とする経済分野における『経済安保戦略』による対中けん制に一層傾いている」との見方を示した。(編集/日向)

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