収益率17%の中国市場を捨て東南アジアへ、日本企業は何を考えているのか―中国人専門家

Record China    2021年9月18日(土) 5時50分

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16日、観察者網は、「収益率17%の中国を捨てて東南アジアにシフトする日本企業は何を考えているのか」とする評論記事を掲載した。写真はベトナム。

2021年9月16日、観察者網は、日本企業(中国)研究院執行院長の陳言氏による「収益率17%の中国を捨てて東南アジアにシフトする日本企業は何を考えているのか」とする評論記事を掲載した。以下はその概要。

菅義偉首相は今年に入って政治、経済の各分野において中国と全面的に対峙(たいじ)する政策を実行し始めた。「経済安保」の方式により、日米のサプライチェーン再構築を行い、経済分野で中国との関係を切り離そうとしている。

日本では近年、2016年を除いて対アセアン投資が対中投資を上回る状況が続いている。今年3月1日に日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した統計では、昨年の日本の対ASEAN(東南アジア諸国連合)投資は2兆2906億円で、対中投資額1兆2865億円の2倍近い数字であることが明らかになった。

日本企業が持っている技術、経営方針は、中国よりもASEAN諸国にマッチしているようだ。小型の技術、特に中小企業の製造技術は今なお進歩を遂げており、ASEAN諸国との間でなおも大きい差があることから、日本企業はこれらの国に引き続き進出することができる。

また、米国で2017年に発足したトランプ政権が、ハイテク分野において中国との関係を断ち切る動きを起こした。もともと日中関係を対立関係とみなしてきた当時の安倍晋三首相は、非ハイテク産業についても可能な限り中国から東南アジア等への移転を進めてきた。そして昨年からの新型コロナの流行で既存のサプライチェーンが寸断し、コロナを理由として日本は中国以外におけるサプライチェーン構築を加速させた。現状を考えれば、今後日本による対東南アジア投資はさらに増え、対中投資との開きは一層大きくなることは間違いなさそうだ。

ジェトロ(日本貿易振興機構)の佐々木伸彦理事長は3月、日本メディアによるインタビューの中で「日本経済にとって、中国は断ち切れる相手ではない」と語るとともに、19年の日本による対中投資収益率が約17%と米国や東南アジアよりも圧倒的位高いというデータを示した。

それにもかかわらず日本企業は「経済安保」により意図的に「稼げる市場」を離れ、やせた土地に移転して苦しい経営を強いられている。これにより日本経済は大きな損失を被り、「失われた20年」から抜け出せない状態が続いている。そして今の菅政権にこの状況を転換する意思はなく、逆に「中国離れ」を加速させている。

この10年、国際経済において日本は「高きを捨て、低きを求め」てきた。政治、経済の両方で中国との対立を続ける中、この国には5年、10年後に低迷状態から抜け出す望みがあるのだろうか。(翻訳・編集/川尻

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