「呪術廻戦」に「ハリー・ポッター」、二次元作品をもとにした二次創作が急成長―中国

人民網日本語版    2021年9月11日(土) 8時20分

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中国では二次元文化が徐々にメインストリームに躍り出るようになり、これまでニッチ文化に属していた二次元の二次創作産業も急成長期を迎えている。

データスマートサービス企業の芸恩数拠はこのほど、「2021年二次元二次創作産業報告書」を発表した。同報告書によると、二次元文化が徐々にメインストリームに躍り出るようになり、これまでニッチ文化に属していた二次元の二次創作産業も急成長期を迎えている。代表的な二次元二次創作プラットフォームが次々に登場し、ますます多様なビジネス化の発展トレンドが見られるという。北京青年報が伝えた。

■ファンが集まる3つのプラットフォーム、人気が衰えない作品とは

同報告書の指摘によると、二次元の二次創作プラットフォームには、動画、イラスト、文章、特定テーマのセグメントグループなどさまざまなタイプがあり、どのタイプにも安定したファン層がいる。現在、ファンの集まる主なプラットフォームには3種類あり、1つ目は質の高いイラスト類プラットフォームで、LOFTERが代表的なものだ。2つ目は多様化した動画プラットフォームで、動画サイト「bilibili」(ビリビリ)が代表だ。3つ目は小さなセグメントグループのプラットフォームで、半次元が代表だ。今のところ、こうしたプラットフォームに二次元二次創作物が数多く投稿されている。

こうしたプラットフォームにファンたちが集まるようになったこともあり、現在は二次元二次創作がキャラクターのジャンルの限界や人気のライフサイクルの限界を打ち破り、創作者と愛好者の作品愛を通じて、キャラクターにより長い生命を吹き込んでいる。

例えば網易LOFTERが今年8月に打ち出した「老友季」と題する二次創作募集イベントでは、大勢のユーザーから文学、漫画アニメ、映画などですでに死んでしまったキャラクターの二次創作作品を募集した。このイベントで最も人気があった作品は「呪術廻戦」、「ハリー・ポッター」、「叛逆者」で、集まった作品は漫画・アニメ、小説、映画などのジャンルに及んだ。オリジナルとなった作品の発表時期も長いスパンに及んでいる。「ハリー・ポッター」は、小説が出版されたのは1997年だが、最後の映画が封切られたは2013年だ。20数年前の作品が今でも無数の二次創作を生み出していることは、プラットフォームの集積効果と拡大効果が最もよく表れた例だと言える。

今も人気が衰えない「ハリー・ポッター」のほか、「ジョジョの奇妙な冒険」、「ヘタリア」、「凹凸世界」など、すでに新たな内容が発表されなくなっている作品もLOFTERプラットフォームでは引き続き人気ランキングの上位にある。これは他の二次元プラットフォームではほとんど見られないことだ。

■作品購入と作り手への「投げ銭」、二次創作が消費をけん引

二次元の楽しみがニッチな世界から徐々に大衆の視野に入るようになると、二次元の創作と消費が盛んになるのは必然的な成り行きだといえる。これは海外市場ではすでに検証された事実であり、中国国内市場でも起こりつつある変化だ。

ユーザーから見ると、二次元の二次創作は趣味の交流であるだけでなく、メインストリームの大衆的な娯楽スタイルになりつつあり、より多くの才能ある作り手たちに創作と革新の可能性を与えることでもある。ここ数年の各種の二次元作品の展示会と大衆への発信とがうまく結びついたケースは、こうした点を証明している。

二次元の二次創作がもたらす商業的価値もますます高まり、プラットフォームの良好な発展に可能性を与えている。LOFTERプラットフォームの場合、二次元の同人ユーザーの62%が二次創作作品を買ったことがあるとしている。そのうち約39%が作り手に「投げ銭」を送り、37%が作品を購入し、36%が関連プラットフォームで有料会員になって、プラットフォームがフィードバックの形で作り手にインセンティブ報酬を出すことを承認し、さらに9%がオフライン展示会に積極的に参加したという。

消費力という点でも、二次元の二次創作は驚くべきものがある。オフライン展示会に参加した二次元同人ユーザーの年間の支出額は平均で500元(約8500円)に迫り、ポスターやポストカードなどの二次創作商品の購入額は350元を超え、作者への「投げ銭」も累計250元を超えた。

つまり、熱心な二次元同人ユーザーになると、自分の好きな二次創作に支払う金額は年間1600元(約2万7000円)を超えるということだ。二次元同人ユーザーの今後の消費予測調査でも、各種の消費スタイルの予想支出額は600元を超えた。

優れた同人と二次創作はオリジナル作品の商品ライフサイクルも長持ちさせる。調査研究では、ユーザーの56%が「同人が二次創作の対象に選んだことでオリジナル作品の商品ライフサイクルが延びる」との見方を示した。二次創作はオリジナル作品のライフサイクルと商業的価値を開拓・発展させる上で非常にメリットがあるもので、時にはオリジナル作品発表元の商業的消費をけん引することにもなる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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