比大統領選、ドゥテルテ氏が副大統領候補に、大統領候補は長女?権力維持の「ウルトラC」

Record China    2021年8月28日(土) 6時20分

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来年5月の比大統領選にドゥテルテ大統領 が副大統領候補として出馬する。長女でダバオ市長のサラ氏らを大統領候補に据える作戦とみられ、権力維持の「ウルトラC」に打って出た形だ。フィリピン共和国の首都マニラ

来年5月のフィリピン大統領選にドゥテルテ大統領 が副大統領候補として出馬する。ドゥテルテ氏と組む大統領候補は決まっていないが、長女で南部ミンダナオ島ダバオ市長のサラ氏らを大統領候補に据える作戦とみられ、自身の権力維持を図るため「ウルトラC」の打って出た形だ。

比大統領の任期は1期6年で、再選は憲法で禁じられている。正副大統領がペアで選ばれる米国などとは異なり、別々に選出される。政治的に対立する2人の組み合わせになることもあり、現在の副大統領ロブレド氏もそうだった。

選挙は候補者の届け出が10月8日に締め切られ、来年2月8日から選挙戦が始まる。投票日は5月9日。

地元メディアによると、与党PDPラバンは24日、ドゥテルテ氏を副大統領候補とすることを了承したと発表。ドゥテルテ氏も同日夜、出馬を明言した。7月に行われた世論調査で、ドゥテルテ氏は副大統領候補の中でトップとなる18%の支持を得ていた。

大統領選にはラクソン上院議員がすでに出馬を表明。サラ、ロブレト両氏のほか、プロボクシングで世界6階級を制したパッキャオ上院議員、故マルコス大統領の長男ボンボン・マルコス元上院議員、マニラのモレノ市長らの立候補が取りざたされている。

サラ氏の政治手腕は未知数だが、地元ダバオでは父親を引き継ぎ、圧倒的な人気を誇っている。フィリピンでは新型コロナ対策が功を奏せず、東南アジアでも最悪の経済停滞を招いているが、ドゥテルテ氏は政権末期になっても歴代大統領と比べて最も高い支持率を維持している。父娘の人気の高さからすれば、ドゥテルテ家による「マラカニアン宮殿(大統領府)独占」というシナリオは現実味を帯びる。

大統領を務めた者が副大統領候補として出馬した例はないが、大統領退任後に副大統領に就任することは憲法上可能。しかし、憲法は大統領が職務不能となった場合には、副大統領が大統領と定めている。大統領の再就任は違憲となってしまうため、法律専門家からは問題があると指摘も出ているという。

16年に就任したドゥテルテ氏は麻薬対策に力を入れ、容疑者が抵抗した場合は容赦なく射殺するよう警察に指示した。「麻薬戦争」と呼ばれ、治安が大幅に改善し、高支持率につながった半面、「超法規的な殺人が続出した」と批判を浴びている。

外交面では歴代大統領に比べて「親中色」が目立つ。アキノ前政権が国際海洋法条約に基づいて提訴した裁判で、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が16年7月に中国の領有権主張を全面的に退ける判決を出したのに対し、ドゥテルテ氏は間を置かずに中国の習近平国家主席と会談し、援助の約束の見返りに「判決の棚上げ」を宣言した。(編集/日向)

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