セウォル号惨事を記憶すべきVS天安号犠牲者を追悼すべき=韓国で論争続く

Record China    2021年8月19日(木) 6時10分

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17日、韓国・マネートゥデイは、「セウォル号記憶空間」の設置をめぐって与野党で意見が対立し、論争が続いていると伝えた。写真は光化門広場。

2021年8月17日、韓国・マネートゥデイは、「セウォル号記憶空間」の設置をめぐって与野党で意見が対立し、論争が続いていると伝えた。

セウォル号記憶空間(セウォル号の記憶及び安全展示空間)は、2014年4月16日に珍島(チンド)沖で発生した旅客船セウォル号沈没事故の犠牲者追悼と安全意識の向上を促すため、19年4月にソウル市鍾路(チョンノ)区の光化門(クァンファムン)広場に設置された。しかし、光化門広場のリニューアル工事のために先ごろ撤去された。

当初は遺族らが撤去に反対しソウル市と対立していたが、ソウル市議会による仲裁案に双方が同意し、一段落した。記憶空間の展示物などは全て、ソウル市議会1階ロビーの展示室に移され、近く設置が完了する見通しだという。

しかし、野党「国民の力」所属のソン・ジュンギ市議が17日、「ソウル市議会は市民の意見を聞かずに展示を決定した」とし、記憶空間のソウル市議会移転に反対する立場を示した。ソン市議は「遺族の痛みに深く共感する」としながらも、韓国海軍哨戒艦「天安(チョナン)」撃沈事件など、北朝鮮の攻撃により死亡した殉国兵士のメモリアル空間の設置が必要だと主張している。

一方、与党「共に民主党」側は、セウォル号記憶空間の光化門広場への再設置に向け、条例化を進めているという。ソウル市議会行政自治委員長で同党所属のイ・ヒョンチャン市議が先月26日に「ソウル市光化門広場の使用及び管理に関する条例の一部改正案」を代表発議しており、「光化門広場はキャンドル集会、6月民主抗争など、韓国の歴史的、情緒的意味が深い場所だ」と話しているという。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「殉国した兵士たちを称える方が正しい」「セウォル号はもういいよ。国を守った天安号の犠牲者を追悼しよう」「セウォル号と光化門広場は何も関係ないじゃん」「セウォル号は気の毒な事件だけど、じゃあ交通事故で死んだ人たちもみんなそうやって記憶するのか?」「セウォル号と殉国兵士を比較対象にするなんてあきれる。記憶空間を作るなら、国のために命を落とした人たちが優先でしょ」など、セウォル号記憶空間の再設置に否定的な声が多く寄せられている。

一方で、「どっちは記憶すべきでどっちは記憶しなくていいなんて考えをまず捨てよう。どちらも胸の痛むつらい出来事で、ずっと記憶しておかなければいけない。命に重い軽いはないよ」とのコメントも見られた。(翻訳・編集/麻江)

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