上海浦東、全力挙げてイノベーションのエンジンを強く―中国

人民網日本語版    2021年8月20日(金) 18時20分

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上海市浦東新区にある「スマート製造」のイノベーションセンターである張江AIロボットバレーを訪れると、1000平方メートルに及ぶ展示ホールは静けさの中に躍動感があふれていた。

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上海市浦東新区にある「スマート製造」のイノベーションセンターである張江AIロボットバレーを訪れると、1000平方メートルに及ぶ展示ホールは静けさの中に躍動感があふれていた。ロボットがコーヒーを入れる、手術をする、ルービックキューブをそろえる……こんな数々の画期的な技術が展示され、まるで未来の世界に迷い込んだような気になる。

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同バレーの一部パークの建設が大々的に進められており、すでに多くの機関が競うように入居した。浦東新区の中心部に位置する張江科学城の中心ブロックは、北は張江AI島からわずか8キロメートル、南は先進製造業が集まる康橋西区に隣接し、5Gプロバイダーである中国電信(チャイナ・テレコム)のパークも擁する。1年後か2年後には、インキュベーター、産業チェーン、関連のビジネスサービスを備えたロボットイノベーションセンターが新たに誕生する見込みだ。

複数の多国籍の科学イノベーション企業がチャンスを見いだしている。今年7月、ロンドン、シカゴなどに海外支社を設立し、製品を20数カ国に輸出する上海傅利葉智能科技有限公司が、本部を同バレーに移した。スイスのABBグループの1億5000万ドルを投じたスーパーファクトリーが、2022年第1四半期(1-3月)に全面的に稼働して生産をスタートする見込みだ。将来にはここで「ロボットがロボットを製造する」製造モデルが生み出されるだろう。

技術の研究から製品の開発まで、投資と生産から市場の開拓まで、浦東新区には整ったAIイノベーションチェーンが構築され、上海市のAI企業の3分の1がここに集まる。20年の同区のAI産業の規模は910億元(約1兆5470億円)で、上海市全体の40%を占めた。

浦東新区はICやバイオ医薬などの分野でも、産業チェーンが全面的に発展している。数年にわたる発展を経て、浦東のIC産業は設計、製造、パッケージ・テスト、設備・材料などさまざまなプロセスをカバーするようになった。世界のウエハOEM製造トップ5社のうち2社の本部が張江にある。世界の半導体設備メーカートップ10社のうち6社の本部・研究開発センターも張江にある。さらに全国のチップ設計を手がける企業トップ10社のうち7社の本部・研究開発センターも張江にある。20年の浦東のIC産業規模は前年比20.5%増の1471億元で、全市の71%、全国の6分の1を占めた。

浦東はバイオ医薬の分野でも全面的に発展する勢いを見せており、イノベーションを担う人材、研究開発機関、イノベーションチェーン、産業システムが整っている。中国で開発された医薬品の15%と革新的医療機器の10%がここで生まれている。第13次五カ年計画期間には、浦東発の第一類医薬品7種類が承認発売され、全国の15%近くを占めた。また、毎年40種類近い第一類医薬品が臨床試験に進み、全国の約20%を占めている。

世界的な新型材料科学技術企業の科思創(上海)投資有限公司中国エリアの雷煥麗(レイ・ホアンリー)総裁は、「浦東の効率が高く、開放的で、国際競争力を備えた発展環境と人材面での顕著な優位性が、当社の世界におけるイノベーション力と競争力の向上にプラスになっている」との見方を示した。

7月29日、浦東大企業開放イノベーションセンターの計画が発表された。大企業のイノベーション資源とグローバルイノベーションネットワークの優位性を発揮して、イノベーションチェーンに連なる中小テクノロジー企業を集積・育成・孵化し、協同イノベーションを展開することが狙いという。第1弾のプロジェクト20件は鍵となる産業に焦点を当てており、ジョンソン・エンド・ジョンソン、マイクロソフト、百度(バイドゥ)、中国商用飛機などの企業が参加する。

浦東にはすでに重点企業研究開発機関と外資系研究開発センターが966カ所集まり、年内に1000カ所を突破する見込みだ。いずれも数年のうちに急成長し、個別の分野で爆発的増加を実現するとみられる。今年はこのほかに中国内外の大企業22社の開放イノベーションセンターの準備も進められている。

浦東はイノベーションをめぐる環境のさらなる最適化も進めており、知的財産権保護の意識がますます高まっている。17年には特許、商標登録、版権の管理・保護を集中的に担う中国(浦東)知的財産権保護センターが発足し、それから4年で、企業のべ1万社以上から問い合わせがあり、登録申請したマーケットエンティティは977社に達した。

腫瘍のシーケンス技術を携えて海外留学から帰国したポストドクターの王維鋒(ワン・ウェイフォン)さんとその起業チームは、開発した医療機器製品がわずか70日間で承認された。同知財権保護センターは「イノベーション医療機器特別審査認可プロセス」を通じて、企業に特許事前審査サービスを提供し、製品の発売に向けた重要ルートを構築した。王さんは、「これは本当に企業密着型のサービスだ。企業の発明や技術革新を保護するだけでなく、私たちが国際市場の競争で先手を打てるようにもしてくれた」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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